topics 37. キミがいない世界
GENJI 【別冊】
GENJI essay
topics 37
キミがいない世界
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GENJI 【別冊】GENJI エッセイ
千年語り継がれる不朽の名作『源氏物語』も実はツッコミどころ満載!?
源氏物語を【超訳】しながら感じた管理人の個人的な雑感エッセイです。シロウトの感想なので偏った見方をしているかもしれません。
古典を専門には学んでいないイチ源氏物語ファンの書く軽いタッチのハンドブックです。よかったらご覧になってください。史実、原作と異なる等、明らかな間違いはご指摘いただきたいのですが、基本的にはゆるく、広いお心でお読みいただければと思います。
お歴々の源氏物語を研究されている方々、現代語訳をなさっている皆様、源氏物語ファンの皆様方、それから紫式部サマ、どうか怒らないでください。お願いします。
本章はGENJI topics です。
源氏物語のエピソードにまつわる管理人の雑感エッセイです。
あくまでも管理人の独断と偏見エッセイです。ゆる~く眺めてやってください。皆さまのまなじりが一瞬でも下がったり、口角が数ミリ上がったり、クスクス笑いのひとつでも漏れたのなら、管理人の望外の喜びとなります。
topics 37. キミがいない世界
第に寄せて
―― キミなき春 ――
~ わが宿は 花もてはやす 人もなし 何にか春の 訪ねきつらん ~
(この花を好きだった人はもういないのに、どうして春はやってくるんだよ)
―― 雪の日の懺悔 ――
~ 憂き世には 雪消えなむと 思ひつつ 思ひの外に なほぞほどふる ~
(こんなツラいこの世から消えてしまいたいのにまだ生きているんだよ)
―― キミなき二月 ――
~ 植ゑて見し 花の主人も なき宿に 知らず顔にて 来居る鶯 ~
(植えて眺めた人がいないのに、鶯は何も知らずにやってきて鳴いているんだな)
―― キミなき三月 ――
~ 今はとて 荒しや果てむ 亡き人の 心とどめし 春の垣根を ~
(出家することになったら荒れてしまうんだろうか。貴女が愛したこの春の庭も)
~ 泣く泣くも 帰りにしかな 仮の世は いづくもつひの とこよならぬに ~
(泣きながら帰ったんだ。この世はどこも彼女と繋がっていないから)
―― キミなき四月 ――
~ 羽衣の 薄きに変はる 今日よりは 空蝉の世ぞ いとど悲しき ~
(羽衣みたいに薄い着物になる今日からは俺の想いもまた儚く哀しいよ)
―― キミなき五月 ――
~ 亡き人を 偲ぶる宵の 村雨に 濡れてや来つる 山ほととぎす ~
(山ほととぎす、お前もあの人を想って今夜の雨に濡れてやってきてくれたのか)
―― キミなき六月 ――
~ つれづれと わが鳴き暮らす 夏の日を かことがましき 虫の声かな ~
(何もすることがなくて涙とともに送る夏の日だけど、俺の真似をするように虫も鳴いているんだな)
~ 夜を知る 蛍を見ても 悲しきは 時ぞともなき 思ひなりけり ~
(夜だけ光る蛍を見ても悲しいのは、俺の想いは昼も夜もいつだって変わらないからなんだよ)
―― キミなき七夕 ――
~ 七夕の 逢う瀬は雲の よそに見て 別れの庭に 露ぞおきそふ ~
(七夕の伝説は雲の上の話だと思っていたけれど、あのふたりの別れの朝も俺たちの別れも泣けてくるよな)
―― キミなき八月 ――
〜 人恋ふる わが身も末に なりゆけど 残り多かる 涙なりけり 〜
(キミを恋慕う俺の命は残り少ないけれど、キミを想う涙はまだ残り多いんだ)
―― キミなき九月 ――
〜 もろともに おきゐし菊の 朝露も ひとり袂に かかる秋かな 〜
(ふたりで長生きを祈った菊なのにひとりきりの袂が秋の朝露に濡れるよ)
―― キミなき十月 ――
~ 大空を かよふ幻 夢にだに 見えこぬ魂の 行く方尋ねよ ~
(大空を飛んでいる幻術士よ、夢でも逢えないあの人の魂の行先を探してほしい)
―― キミなき十一月 ――
~ 宮人は 豊の明りに いそぐ今日 日かげも知らで 暮らしつるかな ~
(宮人が豊明の祭りに夢中になっている今日だけど、俺はこうして日かげで暮らしているよ)
―― キミなき十二月 ――
~ 死出の山 超えにし人を 慕ふとて 跡を見つつも なほまどふかな ~
(死出の山を超えてしまった人を恋い慕って後を行こうとするけれど、そのキミの跡を見てもやっぱり悲しみにくれるんだ)
~ かきつめて 見るもかひなし 藻塩草 同じ雲居の 煙とをなれ ~
(キミからの手紙は眺めるのももう虚しいんだ。もうキミと同じ煙になってくれ)
―― キミなき年末 ――
~ 春までの 命も知らず 雪のうちに 色づく梅を 今日かざしてむ ~
(春まで生きているかどうかわからないから、色づいている梅の花を挿頭(髪に挿す花)にしようか)
~ 物思ふと 過ぐる月日も 知らぬ間に 年も我が世も 今日や尽きぬる ~
(物思いしながら月日を過ごしてしまったが、今年も俺の人生も今日で終わるんだ)
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