episode 3. 彼女のいない夏
GENJI 【超訳】
Part Ⅱ 幾重にも広がる恋の水紋
Chapter 41.思慕、痛恨、後悔、懺悔
源氏物語 第四十一帖 幻
episode 3. 彼女のいない夏
Welcome to SenmojiGenji World!!
源氏物語の今ここ! We are here!!
【超訳】1000文字源氏物語
PartⅠ 華麗なる恋絵巻
- chapter1 【桐壺】壮大なるSTORY
- chapter2 【帚木】男子会の恋バナ
- chapter3 【空蝉】つかみどころのないカノジョ
- chapter4 【夕顔】年上の彼女と癒しの彼女
- chapter5 【若紫】過ちと略奪
- chapter6 【末摘花】雪の朝の衝撃
- chapter7 【紅葉賀】死ぬまで持っていく秘密
- chapter8 【花宴】似た者同士のふたり?
- chapter9 【葵】オンナのオンネン
- chapter10 【賢木】別れ、別れ、それから密会
- chapter11 【花散里】ココロ安らぐ里
- chapter12 【須磨】とりあえず謹慎します。
- chapter13 【明石】最高のカノジョと最愛の妻
- chapter14 【澪標】命をかけて……
- chapter15 【蓬生】シンデレラストーリー?
- chapter16 【関屋】逢えなくても好き
- chapter17 【絵合】世界にひとつだけの
- chapter18 【松風】ふたりの女性と娘のこと
- chapter19 【薄雲】永遠の人
- chapter20 【朝顔】男女の友情は成立する?
- chapter21 【乙女】小さな恋の物語
- chapter22 【玉鬘】元カノのムスメ
- chapter23 【初音】源氏と六条院の新年
- chapter24 【胡蝶】娘なの? 恋人なの?
- chapter25 【蛍】恋多き父と一途な息子
- chapter26 【常夏】ふたりのムスメの明と暗?
- chapter27 【篝火】恋の炎の行方は?
- chapter28 【野分】美しいひとたち
- chapter29 【行幸】ふたりのお父さん
- chapter30 【藤袴】結婚? 仕事?
- chapter31 【真木柱】翻弄された運命の行先
- chapter32 【梅枝】すれ違うふたり
- chapter33 【藤裏葉】長く遅く遠かった春
PartⅡ 幾重にも広がる恋の水紋
- chapter34-1 【若菜上1】それは水紋のように
- chapter34-2 【若菜上2】さざ波が揺らす心
- chapter34-3 【若菜上3】慶びの春と忍び寄る影
- chapter35-1 【若菜下1】六条院の人びと
- chapter35-2 【若菜下2】春の演奏会とある願い
- chapter35-3 【若菜下3】吹き荒れる嵐の六条院
- chapter36 【柏木】想いを遺し恋に死す
- chapter37 【横笛】親友が遺した想い
- chapter38 【鈴虫】想いが交錯する秋の月夜
- chapter39 【夕霧】堅物な浮気、不器用な本気
- chapter40 【御法】消えゆく紫の露
- chapte r41 【幻】思慕、痛恨、後悔、懺悔
- chapter41extra 【雲隠】衝撃の演出
これまでのあらすじ
第四十帖 御法(Chapter 40)まで
紫の上の病状は回復せず、出家の願いも認められません。幼いころから源氏に育てられた想い出の二条院で法要を催します。明石御方や花散里にもそれとなく別れの挨拶をします。
夏が過ぎ秋になり明石中宮に手を取られながら紫の上は息を引き取ります。源氏は壮絶な悲しみに襲われます。紫の上に憧れていた夕霧は最後に紫の上の眠った顔を見ました。夕霧の他にも秋好中宮や明石中宮など多くの人が紫の上の死を悼んでいます。
超ざっくり GENJI
最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔
本章です🎵
源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演
薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー
第四十一帖 幻(Chapter 41)第二話(episode 2)まで
紫の上が亡くなった秋が過ぎ冬になり新年を迎えますが源氏の悲しみは癒えることがありません。女房たちから紫の上が源氏と女三宮との結婚や朧月夜や朝顔の君などのことを気に病んでいたと聞いた源氏は大切な紫の上を悲しませていたことを悔やみます。
紫の上が愛した春が巡ってきます。紫の上と約束をした孫の匂宮が桜の花を愛でています。源氏は何をしていても紫の上のことを想い、彼女がいない辛さにうちひしがれています。
episode 3. 彼女のいない夏
【超訳】幻
源氏 52歳
夕霧 31歳 薫 5歳
明石御方 43歳
明石中宮 24歳 匂宮 6歳
~ 夏ごろも たちかへてける 今日ばかり 古き思ひも すすみやはする ~
(紫の上さまの好きだった春が終わって衣替えをするけれど、やっぱり紫の上さまのことを思い出しちゃうわね)
~ 羽衣の 薄きに変はる 今日よりは 空蝉の世ぞ いとど悲しき ~
(羽衣みたいに薄い着物になる今日からは俺の想いもまた儚く哀しいよ)
~ 亡き人を 偲ぶる宵の 村雨に 濡れてや来つる 山ほととぎす ~
(山ほととぎすよ、あの人を想って今夜の雨に濡れてやってきたのか)
~ 郭公 君につてなん 古さとの 花橘は 今盛りぞと ~
(ほととぎすよ、故郷の橘の花が今満開ですとあの方に伝言してほしいんだ)
~ 君恋ふる 涙ははても なきものを 今日をば何の はてといふらん ~
(紫の上さまを恋い慕う涙は尽きませんのに、どうしてお命日を区切りにしないといけないのでしょうか)
〜 人恋ふる わが身も末に なりゆけど 残り多かる 涙なりけり 〜
(彼女を恋慕う命は残り少ないけれど、涙はまだ残り多いんだ)
夏になり、紫の上が亡くなった一周忌を迎えても源氏の悲しみは癒えません。
花散里も夕霧も心配していますが、それで立ち直れるものでもありません。
でも源氏想いの紫の上は仮にこの姿を天国からでも見ることがあったならこう言うのではないでしょうか?
『そんなに悲しまないで。あなたの気持ちはわかっているわ』
彼女を恋ひ、彼女を慕い、彼女を偲び……
源氏の嘆きの和歌の数々
topics 37 キミがいない世界
🖌Genji Waka Collection
~ 夏ごろも たちかへてける 今日ばかり 古き思ひも すすみやはする ~
花散里が紫の上のことを思いながら六条院(源氏)に贈った歌
~ 羽衣の 薄きに変はる 今日よりは 空蝉の世ぞ いとど悲しき ~
また紫の上がいない季節を迎えて落ち込む六条院(源氏)の歌
~ 亡き人を 偲ぶる宵の 村雨に 濡れてや来つる 山ほととぎす ~
あの世からの使者といわれるホトトギスを見かけて六条院(源氏)が詠んだ歌
~ 郭公 君につてなん 古さとの 花橘は 今盛りぞと ~
夕霧が紫の上のことを思いながら詠んだ歌
~ 君恋ふる 涙ははても なきものを 今日をば何の はてといふらん ~
紫の上を慕う女房が詠んだ歌
〜 人恋ふる わが身も末に なりゆけど 残り多かる 涙なりけり 〜
源氏が紫の上のことを想い悲しみ詠んだ歌
NEXT is
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません