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episode 2. 薫と音楽会

2022-07-20chapter44蔵人少将,第四十四帖,竹河,,玉鬘,夕霧,光源氏,源氏物語,紫式部,超訳

GENJI 【超訳】
Part Ⅲ 激しく流れる恋の川

Chapter 44.玉鬘たまかずらのお悩み

    源氏物語 第四十四帖 竹河

episode 2. 薫と音楽会

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源氏物語の今ここ! We are here!!

【超訳】1000文字源氏物語

PartⅠ 華麗なる恋絵巻

これまでのあらすじ

前章まで

第四十三帖 紅梅(Chapter 43)まで
  紅梅大納言は柏木の弟ですが、柏木が亡くなっているので藤原家の家督を継いでいます。(父は元頭中将)妻は髭黒の娘の真木柱でお互い再婚同士で連れ子やふたりのあいだの子など3人の娘と息子がひとりいます。

 長女は東宮(今上きんじょう帝と明石中宮の皇子)に入内していますが、二女を匂宮と結婚させたいと紅梅は考えています。一方匂宮は真木柱の連れ子の宮の御方のことが気になっているようです。

超ざっくり GENJI

1.桐壺 ~ 11.花散里11.須磨 ~ 21.乙女22.玉鬘 ~ 31.真木柱32.梅枝 ~ 33.藤裏葉34.若菜上 ~ 39.夕霧40.御法 ~ 41.幻42.匂兵部卿 ~ 44.竹河45.橋姫 ~ 54.夢浮橋

光源氏の誕生からたくさんのカノジョとの恋愛遍歴


GENJI Summary Part1-1 (桐壺 ~ 花散里)まとめ

(女性問題を起こして)謹慎生活、都に復帰・復職、大切なオクサマたちとの日々


GENJI Summary Part1-2 (須磨 ~ 乙女)まとめ

元カノの娘の玉鬘との出逢いと大豪邸六条院での暮らし


GENJI Summary Part1-3 (玉鬘 ~ 真木柱)まとめ

源氏の息子夕霧と幼なじみとのハツコイ婚


GENJI Summary Part1-4 (梅枝 ~ 藤裏葉)まとめ

栄耀栄華を極めた源氏 正室を寝取られる?!


GENJI Summary Part2-1 (若菜上 ~ 藤裏葉)まとめ

最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔


GENJI Summary Part2-2 (御法 ~ 幻)まとめ

源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演

本章です🎵

薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー

Chapter 44 竹河 玉鬘のお悩み 

第四十四帖 竹河(Chapter 44)第一話(episode 1)まで
 髭黒に先立たれた玉鬘は子供の世話に追われています。息子たちは自身で出世をしていくのですが、娘ふたりを誰と結婚させればいいか悩んでいます。
 今上帝や冷泉院からもお話があり、夕霧の息子も結婚したいと申し出ています。

episode 2. 薫と音楽会

【超訳】竹河 匂宮におうのみや三帖
薫 14~23歳 匂宮におうのみや 15~24歳
夕霧 40~49歳 玉鬘たまかずら 47~56歳
冷泉院 43~52歳 今上帝きんじょうてい 35~44歳

✈✈✈ Let’ go to SenmojiGenji ✈✈✈

そのころ薫は14,5歳になっているんだけど、歳よりは大人びていて素晴らしい青年に成長していたから玉鬘はうちの婿になって欲しいわなんて思い始めたのね。
 薫の実家の三条邸と玉鬘のお屋敷は近所だったから薫もよく玉鬘の息子たちに誘われて遊びに来るのね。年頃の娘のいるお屋敷だから大勢男子たちが訪ねて来るんだけど、見た目の美しさも感じのよい性格も薫を超える人は誰もいないみたいね。
 玉鬘にしても源氏にはとても大事にしてもらったから薫のことを弟のように親しみを持っているの。

お正月に夕霧や紅梅が息子たちを連れてきてくれるんだけど、彼らが帰ったあとに薫が訪ねてきてくれるの。夕霧の息子たちも家柄もいいし綺麗な公達だけれど、薫の美しさは群を抜いているみたいなの。女房たちもきゃあきゃあ盛り上がっていて、
「やっぱり姫様には薫さまのお隣がお似合いだわ」
 なんて言っているんですって。とにかく薫と話をしたい女房達が次々話をふるんだけれど、薫の反応リアクションはイマイチなのよね。

 夕霧は年をとればとるほどに源氏にそっくりになっていくけれど、薫は見た目は違うけれど、雰囲気オーラが源氏に似ていてきっと源氏の若い頃は薫のようだったんじゃないかしらって薫が帰ったあとで玉鬘はそんな風に女房と話しているの。女房たちもあたりに漂う薫の残り香でまだ盛り上がっているのよね。

薫は周りからカタブツ呼ばわりされるほどの超生真面目オトコ。でもあんまりにもカタブツ扱いされるのも面白くないので、ちょっと気取って玉鬘のお屋敷に遊びに行くことにするの。梅の花の季節みたいよ。
 お屋敷の入り口で夕霧の息子の蔵人少将と鉢合わせるの。お屋敷から楽器の音が聴こえてくるからひょっとして玉鬘の長女が弾いているのかもって立ち聞きしてたんですって。玉鬘からは認めてもらってないから望み薄だろうになぁって薫は同情しながらも彼と一緒に敷地を進むの。薫が歌を口ずさみながら歩いて行くと、お屋敷から聞こえる演奏が薫の歌にぴったり合っているんですって。薫も気分がノッてきてこの前のお正月とはうってかわって冗談なんかも言ったりするの。

お屋敷に来た薫に玉鬘は和琴を弾いてとリクエストするの。薫の爪弾く琴が玉鬘の実の父(元頭中将)の音色にそっくりなのね。でもそれ以上に柏木の音色そのまんまに聞こえてきて、玉鬘は思わず涙ぐむんですって。

琴

 何をしても薫が注目の的になってしまうので、夕霧の息子は自分がふがいなくて落ち込んじゃうの。

~ 人はみな 花に心を 移すらむ ひとりぞまどふ 春の夜の闇 ~

(みんなが薫に夢中だから僕はひとりで春の闇を彷徨っているんだ)

 翌朝、薫は音楽会の御礼に和歌を送ってくるんだけれど、玉鬘の姫君への想いがほのめかしてあったみたいよ。

~ 竹河たけかはの はしうちいでし 一節ひとふしに 深き心の 底は知りきや ~

(あの夜に謡った竹河の歌詞のように僕の気持ちを知っていただけましたか?)

この日以来薫は玉鬘の息子のところによく遊びに来て、姫君のことを気にしだすの。そして、玉鬘も薫が我が家の婿に来てくれないかしら、相手は誰がいいかしら、なんて考えているんですって。

To be continued ✈✈✈

 薫の琴の音色が内大臣や柏木のそれに似ていると玉鬘は感じ取り涙ぐみます。

 源氏物語ではさりげなく「遺伝」が語られているようです。源氏の真実の子の冷泉院は源氏から絵の才能を受け継いでいますし、薫は琴の名手の内大臣(真実の祖父)や柏木(真実の父)の横笛の才能が伝わっているそうです。

🖌Genji Waka Collection

~ 人はみな 花に心を 移すらむ ひとりぞまどふ 春の夜の闇 ~

蔵人少将が薫のことを羨ましく思い詠んだ歌

~ 竹河たけかはの はしうちいでし 一節ひとふしに 深き心の 底は知りきや ~

薫が玉鬘に長女のことを想って贈った歌

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