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episode 1. 大君を亡くして

2022-07-20chapter48第四十八帖,宇治,宇治十帖,早蕨,大君,中の君,八の宮,匂宮,,和歌一覧,和歌,光源氏,源氏物語,紫式部,超訳

GENJI 【超訳】
Part Ⅲ 激しく流れる恋の川

Chapter 48.宇治から都へ

    源氏物語 第四十八帖 早蕨さわらび

episode 1. 大君を亡くして

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源氏物語の今ここ! We are here!!

【超訳】1000文字源氏物語

PartⅠ 華麗なる恋絵巻

これまでのあらすじ

前章まで

第四十七帖 総角あげまき(Chapter 47)まで
  薫は大君へ「ずっと一緒にいたいんだ」と恋の歌を贈りますが、大君に応えてもらえません。そこで薫は先に匂宮と中の君を結婚させようと計画し、匂宮は作戦どおり中の君と結婚します。匂宮は中の君の魅力に夢中になります。ただ匂宮の母の明石の中宮はこの結婚に反対で夕霧の娘との婚約を進めようとしています。

 この噂を聞いた大君はショックを受け寝込んでしまいます。徐々に弱っていき薫に看取られながら息を引き取ります。薫は哀しみのあまり仕事もせずに宇治に引きこもってしまいます。

超ざっくり GENJI

1.桐壺 ~ 11.花散里11.須磨 ~ 21.乙女22.玉鬘 ~ 31.真木柱32.梅枝 ~ 33.藤裏葉34.若菜上 ~ 39.夕霧40.御法 ~ 41.幻42.匂兵部卿 ~ 44.竹河45.橋姫 ~ 54.夢浮橋

光源氏の誕生からたくさんのカノジョとの恋愛遍歴


GENJI Summary Part1-1 (桐壺 ~ 花散里)まとめ

(女性問題を起こして)謹慎生活、都に復帰・復職、大切なオクサマたちとの日々


GENJI Summary Part1-2 (須磨 ~ 乙女)まとめ

元カノの娘の玉鬘との出逢いと大豪邸六条院での暮らし


GENJI Summary Part1-3 (玉鬘 ~ 真木柱)まとめ

源氏の息子夕霧と幼なじみとのハツコイ婚


GENJI Summary Part1-4 (梅枝 ~ 藤裏葉)まとめ

栄耀栄華を極めた源氏 正室を寝取られる?!


GENJI Summary Part2-1 (若菜上 ~ 藤裏葉)まとめ

最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔


GENJI Summary Part2-2 (御法 ~ 幻)まとめ

源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演

薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー

本章です🎵

Chapter 48. 宇治から都へ
 episode 1. 大君を亡くして

【超訳】早蕨さわらび 宇治十帖
 薫 25歳 匂宮におうのみや 26歳
 中の君 25歳
 夕霧 51歳

✈✈✈ Let’ go to SenmojiGenji ✈✈✈

宇治にも春が近づいてくるの。今までは四季折々の花の色や鳥の声をお姉さんと一緒に見て一緒に聞いていたから中の君は寂しくてたまらないの。山の阿闍梨がわらびやつくしを中の君にお見舞いに届けるの。

~ 君にとて あまたの年を つみしかば 常を忘れぬ 初蕨わらびなり ~

(八の宮さまに毎年春にお届けしていました。今年も最初の蕨です)

~ この春は だれにか見せん なき人の かたみに摘める 峰のさわらび ~

(今年の春は誰に見せるというのですか? 亡くなった人の形見の蕨なんて)

中の君は今でも(大君が亡くなったことを)夢のように思っているみたい。何事も大君とふたりで分け合って語り合って過ごしてきたからお父さんを亡くしたときよりも今回の悲しみは大きいみたいね。

蕨
早蕨

大君が生きている頃はそれほど似ていると思っていなかったんだけれど、今では中の君がふと大君のように見えることもあるくらいなんですって。悲しみのあまり少し面やつれしているのもまた美しいんですって。
「薫さまは大君さまのご遺体だけでもずっとそばに置きたいっておっしゃるくらい嘆いていらっしゃるから、中の君さまが薫さまと結婚なさればよかったのにそうはならない運命のようね」
 女房達はそんな話をしているみたい。

薫は今でも大君を失った悲しみから立ち直れずにいると聞いた中の君は薫の大君に対する想いは軽薄なものではなくて本当に愛してくれていたのね、としみじみ感じるの。
 匂宮は宇治に通うのがますます難しくなってきたから、中の君を都に迎えようと決心するの。

都では大君を忘れられない薫が匂宮に辛い想いを打ち明けるの。匂宮も同情してもらい泣きするの。それから中の君を都に迎えることを薫にも伝えるの。薫もそれはよかったって匂宮に言うの。
 そうは言いながらも、大君は匂宮ではなくて自分と中の君に結婚してほしいと思っていたのに、それに応えず匂宮と結婚させてしまったことを薫は後悔もしているの。大君の代わりに自分が中の君と結婚すればよかったって。

でも、もうどうにもならないので、中の君の二条院への引っ越しの手伝いをしてあげるの。
 宇治では女房達は都に引っ越せるのではしゃいでいるの。けれども中の君は一生宇治の山荘で生きていく覚悟でいたのに、お父さんやお姉さんとの想い出と離れなければならないことになり、辛い思いでいるのよね。匂宮の自分への愛も永遠に変わらないと信じることができなくて、将来のことも不安みたいなの。

To be continued ✈✈✈

 大君を亡くした悲しみのあまり薫は宮中にも参内せず宇治に引きこもっていました。気持ちを打ち明けられた匂宮がもらい泣きするほどの薫の哀しみのようです。
「あなたを追いたい」
「恋で死ねる薬が欲しい」
 そんな歌を詠んでいましたね。
 また中の君も父に続いて姉まで亡くしてしまいました。中の君のつらさ、哀しみも深いことでしょうね。

源氏と紫の上が愛を育んだ二条院
匂宮と中の君の新しい二条院

関連する【別冊】部分はこちら

  • 【別冊】GENJI
    topics 43 愛と想い出の家
  • 🖌Genji Waka Collection

    ~ 君にとて あまたの年を つみしかば 常を忘れぬ 初蕨わらびなり ~

    八の宮を偲んで中の君に贈った阿闍梨の歌

    ~ この春は だれにか見せん なき人の かたみに摘める 峰のさわらび ~

    八の宮も大君も亡くした中の君が哀しみ嘆いた歌

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