2022-01-09GENJI topics Part1-1源氏topics,浮舟,身代わり,紅葉賀,第七帖,禁断の恋,光源氏,桐壺更衣,源氏物語,紫式部,藤壺女御,超訳
GENJI 【別冊】
GENJI essay
topics 4
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GENJI 【別冊】GENJI エッセイ
本章はGENJI topics です。
源氏物語のエピソードにまつわる管理人の雑感エッセイです。
あくまでも管理人の独断と偏見エッセイです。ゆる~く眺めてやってください。皆さまのまなじりが一瞬でも下がったり、口角が数ミリ上がったり、クスクス笑いのひとつでも漏れたのなら、管理人の望外の喜びとなります。
topics 4. 物語は繰り返す?
第七帖紅葉賀(Chapter7. 死ぬまで持っていく秘密)に寄せて
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源氏物語には同じような出来事が何度も繰り返されることがあります。
「物語のリフレイン」と言われます。
同じようなエピソードを人を代えて、リアクションを代えて描きます。
音楽で言えば主題のテーマを変調させて展開させる感じと似ていると言っている評論家もいます。
もっとも代表的なのが愛する人の身代わりの人と一緒になるというエピソード。
源氏の父親である桐壺帝が最も愛したのは源氏の母である桐壺の更衣。その更衣を亡くしてしまい、没後も彼女を愛し続けるの。数年後にその彼女によく似た皇女がいるとの噂を聞いて入内(帝の妃に)させるのが藤壺の女御ね。桐壺の更衣に面差しがよく似た藤壺の女御を帝は大切にするの。恐らくは桐壺の更衣にしてやれなかった分も愛したんじゃないかと思うんだけど。
その藤壺の女御に惹かれるのが光源氏。まだ子供だった源氏は父の桐壺帝に連れられて藤壺の女御を訪ねるようになるの。幼いころに母を亡くしている源氏にとって、母によく似ているという5歳年上の美しい女御様は最初は優しいお姉さんのように感じたわよね。でもその思慕は憧れとなり、いつしか愛情へと変わっていくのよね。自分の父親のお妃さまへの許されない恋。まして父親は帝。許されないどころかバレれば帝への反逆罪になる。
許されないけれど、想いは封じ込められない。死をも覚悟してふたりは想いを遂げるけれど、その後は壮絶な苦しみが待っていたのよね。藤壺の宮さまは罪の子を身ごもり、桐壺帝の子どもとしてその子を出産。源氏も父親と名乗ることもできず見守ることに。
そんなときに出逢うのが幼い紫の君。藤壺の女御の姪という血筋で、憧れの人によく似た彼女を源氏はどうしても手元に置きたくて、半ば強引に自宅に連れてきて育て、のちに自分の妻にするのよね。
Matcha macaroon
物語の後半、宇治十帖では薫が愛した大君が亡くなると、彼女によく似た浮舟を見つけ出し、愛するようになるの。
若い頃にこの物語を読んだ私(『あさきゆめみし』です)は、身代わりにされるなんてなんて可哀想なんだろうと思いました。桐壺帝の妃になった藤壺の宮さま。源氏の妻となる紫の上。薫に想われる浮舟。桐壺帝は、源氏は、薫は彼女たちを通して別の女性ひとを想っている。
桐壺帝は桐壺の更衣を愛しているのに、身代わりに入内させられた藤壺の宮さまは可哀想。
その藤壺の宮さまを源氏は愛しているのに、身代わりにされる紫の上が可哀想。
大君が亡くなったからって、身代わりのように薫から好きだと言われる浮舟が可哀想。
彼らはどちらを愛したのでしょう?
一見すると、元々愛した人を最も愛したと思います。
けれども、身代わりとして迎えた人のことも愛したのかなと思えるようになりました。
最初は見た目で好きになったとしても、その人の内面はその人そのものの魅力であり、資質であったでしょうから。その内面を含めて愛したのかな、とも思うのです。
けれども、女性側から見ると、同情すべきことも多々あります。容姿が似ているからと側にいることになり、それなりに大切にされ、愛されもするけれど、本当は私は身代わりなんでしょう? 私でない誰かを愛しているんでしょう?
最も複雑なのが藤壺の宮さまです。
桐壺帝にとっては身代わりの女御であり、光源氏にとっては永遠の憧れの人。
想像(妄想?)ですが、藤壺の宮さまは歳の離れた帝のことは尊敬して慕っているけれど、愛したのは源氏の君。でもその源氏の君が世間的に最も大切にしている女性は自分の姪。まさか自分の身代わりに手元に置いているなんて知らなかったはず。
愛した人は間違いなく自分を愛してくれたけれど、それをお互い伝え合うこともできず、その愛する人は自分でない人を妻にする。自分は愛する人の子を産むけれど、その事実は決して誰にも知られてはいけないこと。
辛すぎる境遇にたとえフィクションだとしてもなんと言ったらいいのか言葉を失います。
また、お気の毒なのは紫の上にも共通しています。兵部卿宮の正室の子でない紫の上は幼い頃から源氏に育てられ、やがて妻になります。けれども源氏の最初の正室、葵の上が亡くなったあとも正室になることはありませんでした。周りの誰もが源氏の最愛の人と認める寵愛ぶりだったけれども、源氏が正室にしたのは紫の上ではありませんでした。晩年の源氏は親子ほども年の違う女三宮(源氏の兄、朱雀帝の娘)を正室にします。彼女も藤壺の宮さまの血筋だったのです。
紫の上が、源氏が自分に好意を持ったきっかけが誰かの身代わりとしてだったと知っていたかどうかはわかりません。女三宮を妻に迎えた理由も少なくとも源氏からは知らされないけれど、自分がなれなかった正室に迎えたという事実は彼女を傷つけたはず。
皆が羨むほどに愛されても、やっぱり満たされない想いもあったんだろうなぁと思います。
どんな婚姻制度でも、家族形態でも。
いつの時代の望みは同じなんじゃないでしょうか。
とってもシンプルなことだけれど、
なかなか叶わないから、よりそれを望むし、憧れる。
ちょっと今回はしんみりと。
紅葉賀を超訳しながら、物思いにふけってみました。1000年前の秋の夜長にタイムトリップ。
To be continued ✈✈✈
小倉百人一首も【超訳】しています。
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