chara-book 3. 愛と罪に揺れる藤の花

「桐壺の更衣に似たヒトがいるらしい」そんな噂を聞いた桐壺帝が入内を望んだ藤壺の宮（藤壺の女御）。桐壺帝に連れられて訪ねてくる源氏は姉のように慕います。
　いずれその思慕の想いは恋へと移り、源氏は父の妃である藤壺の宮に恋心をぶつけます。
　最初は源氏の気持ちを拒んでいた藤壺の宮でしたが、とうとう一線を越えてしまいます……。

源氏の父であり、藤壺の宮の夫である桐壺帝に背いて一夜を過ごした源氏と藤壺の宮でしたが、藤壺の宮は懐妊してしまいます。犯した罪への恐怖におののきながら藤壺の宮は桐壺帝の子として皇子を出産します。当然父親として名乗ることのできない源氏は表向きは兄として皇子の後見をつとめます。

　皇子は春宮となり、源氏と藤壺の宮はそれぞれの方法で春宮を護ろうとします。桐壺帝が亡くなったあと、藤壺の宮は春宮の立場を護るために出家をします。

源氏が須磨で謹慎中も藤壺の宮は源氏の無事を祈り、春宮を護り育てます。
　源氏の復職後、春宮は帝位に就き冷泉帝と称されます。妃選びなど後宮を円満に統べるよう見守り、３７歳で崩御されました。

　源氏にとって「永遠の憧れのひと」で、彼女の面影を他の女君にも探し、求め、さまよいます。