topics 42. なにやら聞いたことのあるハナシ
GENJI topics Part3第四十七帖,総角,大君,中の君,匂宮,薫,源氏topics,夕霧,光源氏,源氏物語,紫式部,超訳
GENJI 【別冊】
GENJI essay
topics 42
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GENJI 【別冊】GENJI エッセイ
本章はGENJI topics です。
源氏物語のエピソードにまつわる管理人の雑感エッセイです。
あくまでも管理人の独断と偏見エッセイです。ゆる~く眺めてやってください。皆さまのまなじりが一瞬でも下がったり、口角が数ミリ上がったり、クスクス笑いのひとつでも漏れたのなら、管理人の望外の喜びとなります。
topics 42. なにやら聞いたことのあるハナシ
第四十七帖 総角(Chapter 47 恋の終わりと恋の始まり)に寄せて
✈✈✈ Let’ go to GENJI world ✈✈✈
初めて知り合ってから幾数年、ようやく薫が大君に直接気持ちを伝えました。
真面目でカタブツ男子が思い切って女子のところに侵入
逃げようとする女子の衣装を掴んで必死で気持ちを伝える
けれども無理矢理カラダの関係を結ぼうとはせずに話をして夜を明かす
あれ?
あれれ?
どこかでこのお話読みませんでしたか?
真面目でカタブツというキャラも夕霧と薫は同じです。
本人なりに「思い切って」御簾内に侵入したもののその後は強行突破せずに夜を明かすのもまったく同じ展開でしたね。
そんな薫の気持ちを受け入れられず拒む大君も女二宮と似ていますね。ただ女二宮はその後夕霧と再婚して(物置籠城! なんてこともありましたが)今では六条院で夕霧の娘の六の君を育てており、穏やかな生活をしています。大君と薫は……、悲しい恋になってしまいましたね。
真面目でカタブツ、華やかな宮中での生活よりも出家を望んでいた薫。「恋なんて出家のさまたげになるだけ」そんなことを言っていた薫。その薫がこんなに好きになった大君。
「僕もあなたを追いたい」
「恋の病で死ぬ薬が欲しい」
こんな哀しい恋の歌を詠みます。真面目なだけに一途な恋。それなのに切なく儚い結末を迎えてしまいました。
Nerikiri
大君は薫のことをどう思っていたのでしょうね。お父さんから安易に結婚せず宮家の格式を守るように言われているので、長女の自覚でその遺言に従うつもりだったのでしょうか。ステキな人が結婚してほしいと熱心に言ってくれているのに、お父さんの遺言を優先してしまったのかしら。薫から好きと言われてキュン、ともこなかったのかしら。それとも薫は人柄も容姿も素晴らしいから大切な妹と結婚してほしいと思ったのかしら? 少し真面目過ぎるかもしれないけれど、こんなに一途に好きになってくれて恐らくこの先もずっと大切にしてもらえただろうに。大君の考え方が少しでも違っていれば幸せになれただろう恋だったのに。
同じ事象に違う結末。
源氏物語によく見られる「エピソードのリフレイン」でしたね。
そして薫とは好対照の匂宮クン。
次から次へと女の子と付き合っては理想の恋人探し
「キミのこと好きになっちゃった」
「生まれる前からの運命なんだよ」
なぁんて言いながら誰とでもすぐに仲良しさん
あら?
あらあらあら。
誰かさんにそっくり。
そう、我らが源ちゃん、源氏とカブるキャラですよね。
源ちゃんと匂宮は血のつながったおじいちゃんと孫なので隔世遺伝したのかしら?
源氏の容姿は息子の夕霧と冷泉帝がそっくりですけれど、性格はふたりとも源ちゃんとは違いましたしね。女子にマメでフットワークの軽い内面は匂宮クンに受け継がれたということかしら。
薫から聞いた噂の宇治の姫君のことがどうしても気になる匂宮クンは文通から始めます。どうやら手紙の返事を書いているのは中の君。薫は自分は大君と、匂宮には中の君と、と勝手にカップリングして匂宮クンと中の君ちゃんの仲をとりもってあげようとします。
するとこちらはまあ電光石火の電撃婚。初めて会ったその夜に一線越え。
これもねぇ、中の君は同意してませんよね。今夜匂宮がやってくるなんて知らなかったんですもの。薫と匂宮とのこっそり作戦でした。だまし討ち? ですよね、女子側からすると。真面目な薫も所詮は男子脳というか、こんな風に突然乗り込まれる中の君の気持ちまで思いはいたりませんでしたね。
手紙のやりとりはしていたけれど、もったいつけないようにあたりさわりのない返事をしていた程度です。お姉さんの大君からは「薫さんと結婚したら?」とも言われていたんです。匂宮クンからの好き好きアピールはバンバン届いているけれど、彼の女好きというウワサも知っているし、身分違いだし、向こうはきっとカルイ気持ちでちょっかいを出しているだけなんだろうからとても彼となんてお付き合いできないわといったところだったでしょう。
Shiratama
O-zenzai
「俺は本気なんだ。会ってくれないかな」
「キミのことが好きなんだ。付き合って欲しい」
中の君からOKがもらえるまで匂宮は自分の誠実な気持ちを伝えるべきだったんじゃないのかな。本気の恋ならなおのこと。
中の君、どんなに驚いたでしょうね。
この時代はこれで許されちゃったんですよね。ホントに女子の意思なんて思いやってもらえずに寝込みを襲われるこのパターン、もう何回目よ、どうにかならんのかしら……。
「キミこそ俺の理想の女性だ」
「一生キミを愛するよ」
「生まれ変わってもキミへの愛は変わらない」
チャラ男くんならではのスキルで中の君に愛の言葉を囁きます。そしてふたりでいるときの匂宮クンは優しくてとっても素敵。中の君に仕えている女房たちもやれカッコいいだの、やれイケメンだのと大騒ぎみたい。そんな素敵なヒトにこんなにまで愛を誓ってもらえて中の君もうっとりしちゃったのかしら? というかここまで強引に匂宮クンにせまられては拒むことなんてできなかったのかもしれませんね。
匂宮のお母さんの明石中宮さまは、息子と中の君が付き合うことに反対でしたが、それでも匂宮クンはお母さんの妨害にもめげずに必死に3日間通って結婚にこぎつけました。
そうして匂宮と中の君は結婚することになりました。
Japanade Wedding
こうして王子様の匂宮クンとプリンセスになった中の君ちゃんはいつまでも幸せに暮らしましたとさ、っておとぎ話みたいに書きたいのですけれどね……。
お母さんの妨害に夕霧んとこの娘ちゃんとの縁談に匂宮クンのオンナ癖の悪さ。結婚後も前途多難な中の君ちゃんなんです。
おい、こら、匂宮! 中の君ちゃんに誓ったことは中の君ちゃんがいないところでも守りなさいよ。永遠の愛を誓ったんなら中の君ちゃんだけを一途に愛しなさいよね! ねえっ! ちょっと聞いてる? こら、匂ちゃんっ!! どこ行くのよっ?!
真面目でカタブツ薫くんの悲劇的な恋とちゃらちゃらチャラ男の匂宮クンの直情的な恋。一方は終わってしまった恋、もう一方は始まった恋。ふたりの恋はここからまた二転三転していくようです。この恋の他にも現代にも通じる大・大テッパン設定も出てきますので【超訳】も【別冊】もお楽しみくださいね。
Matcha Mont Blanc To be continued ✈✈✈
小倉百人一首も【超訳】しています。
話し言葉でお気軽 OGURA
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