2022-10-04GENJI HEIANトリビア烏帽子,束帯,衣冠,直衣,狩衣,冠,平安男子,衣装,HEIAN,平安トリビア,源氏物語,紫式部,超訳
GENJI 【別冊】
HEIAN トリビア
源氏の世界⑧
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GENJI 【別冊】HEIAN トリビア
本章はGENJI HEIAN トリビア です。
源氏物語の舞台となった平安時代トリビアをご紹介します。
源氏物語が書かれたのが約千年前(1008年頃)で、物語は当時より50~100年前あたりの醍醐・村上両朝(897年~967年)前後を想定しているらしいです。(参考文献:源氏物語の謎 増淵勝一著)
そんな平安時代の衣食住にまつわる暮らし方や今とかけ離れた家族制度や恋愛観などをご案内します。
主な参考文献はこちら
現代の暮らし方や考え方と比べながら楽しんでいただけたなら嬉しいです。
GENJI World ⑧ 平安男子の衣装
✈✈✈ Let’ go to GENJI world ✈✈✈
前に女子の衣装のご紹介をしたので(源氏の世界⑥艶やかな十二単)、今回は男子の衣装のお話をしますね。HEIAN Men’s Collection。
まずは正装から。桃の節句に飾るお内裏さまの服装だと思います。洋服の格式で言うとタキシードね。儀式のときなどに着用します。束帯と言います。宮中では大きく分けて文官の役職と武官の役職があり(それぞれに階級があります)、文官の束帯と武官の束帯では少し違いがあるので、文官束帯と武官束帯と呼ばれます。
Bunkan Sokutai
どちらも冠をかぶります。単の着物に袴を穿いて、襟元のグラデーションが綺麗な下襲に裾と言う長い布を後ろに垂らします(裾は歩くときに引きずるほどの長さで身分が高ければ高いほど長い)。袴は私たちのよく知る侍の袴より細身のパンツといったカンジです。その上に袍と呼ばれる上着を着て石帯という石飾りのついた革ベルトをして、手には笏(威儀を正すためのもの。儀式の覚書などのあんちょこにも使用)を持ちます。とっても複雑で着るのもタイヘンだったみたいです。
Bukan Sokutai
そして衣冠というのが現代のスーツ的役割で、宮中にはこれで参内します。束帯を省略して着やすくしたもので束帯よりゆったり着用できたので「宿直装束」と呼ばれて宮中の夜の勤務服だったみたいです。
下襲や裾などが省略され、袍を着るだけです。袴は指貫というボトムを穿きます。超ワイドパンツで裾を足首でキュッと絞ったタイプのものです。袍の色は官位によって決められています。
次に直衣。見た目は衣冠と似ていますが、スーツではなくてブレザーにパンツというオシャレ普段着といったカンジです。こちらは貴族が自宅で着ている服装です。袍は官位にかかわらず色も文様も自由なの。袴は衣冠のときと同じタイプの指貫を穿きます。色や柄は年齢で決まっているみたい。年を重ねるにつれて色が淡く、文様が大きくなります。
よほど位が高ければ直衣で出勤することもあったみたいで、みんなが衣冠の服装の中で桜重ねの直衣姿の源氏が目立って素敵だという描写もあります。(朧月夜と恋に落ちた第八帖【花宴】)
Noushi
最後の狩衣はカジュアルなスポーツ着です。身分の高くない人の普段着です。源氏が人目を忍んで出かけるときにわざと位を低く見せるために狩衣を着たこともあったみたいです。
女子の服装でもご紹介した袖などの表と裏の色合わせ「重ねの色目」は男子にもあります。季節によって、年齢によって、また男子しか使えない色目などさまざまだったようです。
ちなみにどんな服装の場合でも男子は冠か烏帽子をかぶります。宮中では冠をかぶるのがきまりなので、常に宮中にいる帝は必ず冠をかぶっています。なので烏帽子姿の帝はあり得ないワケです。貴族たちは自宅では烏帽子をかぶります。たとえ家の中でもです。男子は寝るとき以外は被り物をかぶっていることになりますね。
Kanmuri
また宮中職場での服装ですが、官位によって色が決められていました。
衣服を見れば階級がすぐわかるわけなんですよね。
官位八位以下が深縹、六位以下は緑色、五位が浅緋、四位が深緋、三位以上が深紫です。
Eboshi
源氏の息子の夕霧が元服をしたときに着る衣装(正確にはその色)を見て皆が驚きました。通例でいけば四位程度の位を授かるはずですが、源氏が与えたのは六位の位で、衣装の色は緑色でした。
雲居の雁と引き離されるときに彼女の乳母は「姫さまのお相手が六位とはね」と夕霧の身分の低さを嘆きます。夕霧はこんな歌を詠みました。
「こんなに傷ついているのに(袖が血の涙で染まっているのに)浅葱色(緑)の服だってバカにするの?」
四位か五位なら赤系統の色でしたが、六位は緑色で官位が低いのが一目瞭然です。
従兄弟や友人に比べて低い官位での就職だったので、緑色を纏っての宮中での仕事に夕霧は引け目を感じていたようです。
Midoriiro
また禁色といって天皇、東宮以外が着てはいけない色があり、現代まで残っている色が天皇の黄櫨染であり、東宮の黄丹です。黄櫨染は明るい茶色で黄丹は濃い黄色です。
令和元年10月22日、即位の礼の際に天皇陛下がお召しになっていたお色が黄櫨染でした。秋篠宮皇嗣が黄丹の衣装を纏われました。平安の世から現代にまで受け継がれる美しい伝統ですね。
To be continued ✈✈✈
源氏の世界⑧ 平安男子の衣装
こちらのサイトで平安時代の衣装が見られます。(他の時代の衣装も)よかったら覗いてみてくださいね。
日本服飾史
平安時代の衣装
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