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episode 14. 柏木の恋

2022-07-20chapter34-3柏木,第三十四帖,若菜上,女三宮,夕霧,光源氏,源氏物語,紫式部,超訳

GENJI 【超訳】
Part Ⅱ 幾重にも広がる恋の水紋

Chapter 34-3.慶びの春と忍び寄る影

    源氏物語 第三十四帖 若菜上(三)

episode 14. 柏木の恋

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源氏物語の今ここ! We are here!!

【超訳】1000文字源氏物語

PartⅠ 華麗なる恋絵巻

これまでのあらすじ

前章まで

第三十四帖 若菜上(二)(Chapter 34-2)まで
  源氏の兄である朱雀院は出家の準備を始めますが、内親王(娘)の女三宮は母親を亡くしており後ろ盾がないので将来を心配しています。

 朱雀院は誰かに嫁がせようと考え、源氏に結婚を打診します。源氏は最初は固辞しますが、女三宮が藤壺の宮と血のつながりがあることに気づき結婚を了承してしまいます。この結婚によって紫の上は絶望を味わいます。降嫁してきた女三宮は幼いばかりの姫宮で源氏は早くも結婚を後悔します。

 朱雀院の出家により妃であった朧月夜は実家に戻り、源氏は逢いに行きふたりは復縁します。ただでさえ女三宮との結婚で絶望していた紫の上は源氏からこのことを聞き泣いてしまいます。
 源氏は女三宮が幼いばかりの姫宮だったので、今まで以上に紫の上の素晴らしさに感じ入ります。

超ざっくり GENJI

1.桐壺 ~ 11.花散里11.須磨 ~ 21.乙女22.玉鬘 ~ 31.真木柱32.梅枝 ~ 33.藤裏葉34.若菜上 ~ 39.夕霧40.御法 ~ 41.幻42.匂兵部卿 ~ 44.竹河45.橋姫 ~ 54.夢浮橋

光源氏の誕生からたくさんのカノジョとの恋愛遍歴


GENJI Summary Part1-1 (桐壺 ~ 花散里)まとめ

(女性問題を起こして)謹慎生活、都に復帰・復職、大切なオクサマたちとの日々


GENJI Summary Part1-2 (須磨 ~ 乙女)まとめ

元カノの娘の玉鬘との出逢いと大豪邸六条院での暮らし


GENJI Summary Part1-3 (玉鬘 ~ 真木柱)まとめ

源氏の息子夕霧と幼なじみとのハツコイ婚


GENJI Summary Part1-4 (梅枝 ~ 藤裏葉)まとめ

栄耀栄華を極めた源氏 正室を寝取られる?!

本章です🎵

最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔

源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演

薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー

Chapter 34-3 若菜上(三) 慶びの春と忍び寄る影 

第三十四帖 若菜上(三)(Chapter 34-3)第四話(episode 13) まで
 明石女御は里帰り出産時に自身の出生の事情を知りました。無事若宮を出産すると、育ての親の紫の上と産みの母の明石の御方は協力し合って若宮の世話をしてくれます。
 若宮誕生のニュースは明石にも伝わり、一族から帝と皇后を出すという願を果たした明石入道は明石御方や尼君に手紙をしたためたあと山に分け入ります。

 一方夕霧の友人の柏木は女三宮と結婚できなかったことをまだ根に持っています。六条院の春の御殿で蹴鞠をしていたときにハプニングが起き、夕霧と柏木は女三宮のすがたを見てしまいます。見られるはずのない女三宮を見てしまった柏木は興奮しています。

episode 14. 柏木の恋

【超訳】若菜上(三)
源氏 41歳 紫の上 33歳
女三宮おんなさんのみや 15歳
明石女御あかしのにょうご 13歳
柏木 25歳 夕霧 20歳

✈✈✈ Let’ go to SenmojiGenji ✈✈✈

源氏は自分も太政大臣(元内大臣)に蹴鞠は敵わなかったけどキミも上手いねと柏木を褒めるの。若々しく美しい源氏を目の前にすると、源氏に勝てるものなんて何もないと柏木は落ち込むのよ。

夕霧も一緒の牛車で帰るんだけど、柏木が源氏は紫の上ばかりを寵愛になっているから女三宮がお気の毒だって愚痴を言い始めるの。夕霧はそんなことはないと否定するの。

~ いかなれば 花に伝ふ うぐひすの 桜を分きて ねぐらとはせぬ ~

(どうしてあの人は僕のところに来てはくれないんだろう)

そんな歌を柏木が詠むからやっぱり女三宮の姿を見て恋に落ちてしまっていると夕霧は焦るの。

~ 深山木みやまぎに ねぐら定むる はこ鳥も いかでか花の 色に飽くべき ~

(もう帰る家が決まっている人なんだから飽きたりするわけないじゃん)

お前はなんか誤解しているよと夕霧は柏木に忠告してあげるんだけど、盛り上がっている柏木は聞き入れなかったの。
 柏木はまだ独身でお父さんの太政大臣の家に住んでいるの。どうしても自分の気持ちを知ってほしいと柏木は小侍従経由で女三宮に手紙を出すの。

柏
柏の木

~ よそに見て 折らぬなげきは しげれども なごり恋しき 花の夕かげ ~

(自分のものにはできない悲しみは深いけれども、あの夕方に見た美しさに今も恋しています)

僕は恋の病にかかっています、なんて手紙を受け取った女三宮は男性に顔を見られてしまったことで源氏に叱られるって怯えちゃうの。もちろん返事なんて女三宮は書かないから、柏木には小侍従が「高嶺の花に恋してもムダよ」って書いたみたい。

第三十四帖 若菜上(三)

Chapter 34-3 慶びの春と忍び寄る影
 episode 10. ふたりのお母さん
 episode 11. 明石女御の出産
 episode 12. 明石入道の夢、源氏の占い
 episode 13. 女三宮のすがた
 episode 14. 柏木の恋

To be continued ✈✈✈

 明石女御が無事男の子を出産して明石入道の願望がすべて叶いました。母親代わりの紫の上と実の母の明石の御方も協力して皇子さまのお世話をしています。

 一方、柏木はいまだに源氏に嫁いだ女三宮をあきらめられずにいます。源氏の息子であり柏木の友人でもある夕霧が「早まったことをするなよ」と心配していますね。

 ここまでが源氏物語第三十四帖【若菜上】でした。朱雀院の出家に始まり、女三宮と源氏の結婚、朧月夜と源氏の復縁、明石女御の妊娠・出産、柏木の恋とさまざまな人の動きや想いが描かれました。第三十五帖が【若菜下】です。こちらもボリュームがありますので分けてご案内していきますね。

🖌Genji Waka Collection

~ いかなれば 花に伝ふ うぐひすの 桜を分きて ねぐらとはせぬ ~

柏木衛門督えもんのかみが女三宮を想って詠んだ歌

~ 深山木みやまぎに ねぐら定むる はこ鳥も いかでか花の 色に飽くべき ~

夕霧大将が「人妻なんだから恋するわけないじゃん」と柏木をたしなめた歌

~ よそに見て 折らぬなげきは しげれども なごり恋しき 花の夕かげ ~

柏木衛門督えもんのかみ が女三宮に贈った恋の歌

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