episode 1. 女三宮の憂鬱
GENJI 【超訳】
Part Ⅱ 幾重にも広がる恋の水紋
Chapter 38.想いが交錯する秋の月夜
源氏物語 第三十八帖 鈴虫
episode 1. 女三宮の憂鬱
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源氏物語の今ここ! We are here!!
【超訳】1000文字源氏物語
PartⅠ 華麗なる恋絵巻
- chapter1 【桐壺】壮大なるSTORY
- chapter2 【帚木】男子会の恋バナ
- chapter3 【空蝉】つかみどころのないカノジョ
- chapter4 【夕顔】年上の彼女と癒しの彼女
- chapter5 【若紫】過ちと略奪
- chapter6 【末摘花】雪の朝の衝撃
- chapter7 【紅葉賀】死ぬまで持っていく秘密
- chapter8 【花宴】似た者同士のふたり?
- chapter9 【葵】オンナのオンネン
- chapter10 【賢木】別れ、別れ、それから密会
- chapter11 【花散里】ココロ安らぐ里
- chapter12 【須磨】とりあえず謹慎します。
- chapter13 【明石】最高のカノジョと最愛の妻
- chapter14 【澪標】命をかけて……
- chapter15 【蓬生】シンデレラストーリー?
- chapter16 【関屋】逢えなくても好き
- chapter17 【絵合】世界にひとつだけの
- chapter18 【松風】ふたりの女性と娘のこと
- chapter19 【薄雲】永遠の人
- chapter20 【朝顔】男女の友情は成立する?
- chapter21 【乙女】小さな恋の物語
- chapter22 【玉鬘】元カノのムスメ
- chapter23 【初音】源氏と六条院の新年
- chapter24 【胡蝶】娘なの? 恋人なの?
- chapter25 【蛍】恋多き父と一途な息子
- chapter26 【常夏】ふたりのムスメの明と暗?
- chapter27 【篝火】恋の炎の行方は?
- chapter28 【野分】美しいひとたち
- chapter29 【行幸】ふたりのお父さん
- chapter30 【藤袴】結婚? 仕事?
- chapter31 【真木柱】翻弄された運命の行先
- chapter32 【梅枝】すれ違うふたり
- chapter33 【藤裏葉】長く遅く遠かった春
PartⅡ 幾重にも広がる恋の水紋
- chapter34-1 【若菜上1】それは水紋のように
- chapter34-2 【若菜上2】さざ波が揺らす心
- chapter34-3 【若菜上3】慶びの春と忍び寄る影
- chapter35-1 【若菜下1】六条院の人びと
- chapter35-2 【若菜下2】春の演奏会とある願い
- chapter35-3 【若菜下3】吹き荒れる嵐の六条院
- chapter36 【柏木】想いを遺し恋に死す
- chapter37 【横笛】親友が遺した想い
- chapter 38 【鈴虫】想いが交錯する秋の月夜
- chapter39 【夕霧】堅物な浮気、不器用な本気
- chapter40 【御法】消えゆく紫の露
- chapter41 【幻】思慕、痛恨、後悔、懺悔
- chapter41extra 【雲隠】衝撃の演出
これまでのあらすじ
第三十七帖 横笛(Chapter 37)まで
柏木が亡くなってから1年が経ちましたが彼を惜しむ声は聞かれます。薫は1歳になり可愛らしく美しく成長しています。
夕霧は柏木の未亡人の女二宮を見舞い楽器の合奏をするなど「友人の未亡人」以上の気持ちを抱き始めているようです。女二宮の母から柏木の遺品の横笛を譲り受けます。柏木は夕霧の夢で「その笛は子孫に伝えたい」と告げます。
夕霧は源氏に「柏木が悪いことをしたと言っていた」と話しますが、源氏ははぐらかします。ただ柏木の横笛はこじつけまがいの言い訳をしながら源氏が預かりました。
超ざっくり GENJI
栄耀栄華を極めた源氏 正室を寝取られる?!
本章です🎵
最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔
源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演
薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー
Chapter 38. 想いが交錯する秋の月夜
episode 1. 女三宮の憂鬱
【超訳】鈴虫
源氏 50歳 紫の上 42歳
女三宮 24歳 夕霧 29歳
冷泉院 32歳 秋好中宮 41歳
~ 蓮葉を 同じうてなと 契りおきて 露の分かるる 今日ぞ悲しき ~
(生まれ変わっても一緒にいようって約束をしたのに、別々に別れる今日が悲しいよ)
~ 隔てなく 蓮の宿を ちぎりても 君が心 やすまじとすらん ~
(生まれ変わっても一緒にだなんて思ってもいないでしょうに)
~ 大かたの 秋(飽き)をば憂しと 知りにしを 振り捨てがたき 鈴虫の声 ~
(あなたがわたくしに飽きたってことは知ってるけれど、鈴虫の声には惹かれるわ)
~ 心もて 草の宿りを 厭へども なほ鈴虫の 声ぞふりせぬ ~
(自分から六条院を出て行こうとするけど、キミへの想いは変わらないんだよ)
出家するということは恋愛関係はもう結べません。藤壺の宮さまが出家したあとは源氏も言い寄ったりカラダの関係を結ぼうとはしませんでした。それなのに出家した女三宮になぜか恋の歌を贈ります。
結婚当時は幼稚な和歌を詠んでいたのだけれど、ぐんぐん和歌が上達していると解説書に書いてあります。柏木が亡くなる前に贈った歌は源氏物語全編を通しても最高峰の和歌だそうです。
~ 立ち添ひて 消えやしなまし うきことを 思ひ乱るる 煙くらべに ~
(わたしだって煙になって消えちゃいたいわ。思い悩む辛さなら負けてないもの)
女三宮も大変な目にあって成長したのかもしれませんね。特に心理的に。
🖌Genji Waka Collection
~ 蓮葉を 同じうてなと 契りおきて 露の分かるる 今日ぞ悲しき ~
出家した女三宮に「一緒にいたかったのに」と贈った六条院(源氏)の歌
~ 隔てなく 蓮の宿を ちぎりても 君が心 やすまじとすらん ~
女三宮が「そんなこと思ってもいないくせに」と源氏をかわした返歌
~ 大かたの 秋(飽き)をば憂しと 知りにしを 振り捨てがたき 鈴虫の声 ~
秋の風情に惹かれて詠んだ女三宮の歌
~ 心もて 草の宿りを 厭へども なほ鈴虫の 声ぞふりせぬ ~
源氏が今頃になって詠む恋の歌
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