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episode 3. 最愛なる貴女

2022-07-20chapter40明石中宮,第四十帖,御法,紫の上,夕霧,和歌一覧,和歌,二条院,光源氏,源氏物語,紫式部,超訳

GENJI 【超訳】
Part Ⅱ 幾重にも広がる恋の水紋

Chapter 40.消えゆく紫の露

    源氏物語 第四十帖 御法みのり

episode 3. 最愛なる貴女あなた

Welcome to SenmojiGenji World!!

源氏物語の今ここ! We are here!!

【超訳】1000文字源氏物語

PartⅠ 華麗なる恋絵巻

これまでのあらすじ

前章まで

第三十九帖 夕霧(Chapter 39)まで Part2-1 完結
 源氏の兄である朱雀院は出家の際に内親王の女三宮を源氏に降嫁させます。親子ほどの年の離れた女三宮は幼いばかりの姫宮で、源氏は美しく賢い紫の上をますます寵愛するようになりますが、女三宮を正室に迎え、朱雀院の寵姫だった朧月夜と復縁したことで紫の上は絶望を味わいます。

 それでも紫の上は六条院の女主人として女三宮を始め女君がたと穏やかな交流をはかりますが、病に倒れてしまいます。源氏は朱雀院の御賀などの行事をすべて延期にして紫の上につきっきりで看病します。

 紫の上が二条院で療養中に源氏の正室の女三宮を諦めきれない柏木が密通してしまい、女三宮は妊娠してしまいます。源氏はふたりの関係を知り、態度や言葉でふたりを責め、柏木は寝たきりの病気になります。そんな中女三宮は男児(のちの薫)を出産、その後出家します。それらを知った柏木は喜びと失意の中亡くなります。

 夕霧は柏木から「源氏とのいさかいのとりなし」と「未亡人となる女二宮」のことを遺言として頼まれました。夕霧は薫は柏木の子ではないかと見当をつけます。女二宮のことは最初は友人の未亡人として見舞っていましたが、いつしか恋情を抱くようになり結婚します。本妻の雲居の雁はこの結婚に心を痛め子供を連れて実家に戻ってしまいました。

超ざっくり GENJI

1.桐壺 ~ 11.花散里11.須磨 ~ 21.乙女22.玉鬘 ~ 31.真木柱32.梅枝 ~ 33.藤裏葉34.若菜上 ~ 39.夕霧40.御法 ~ 41.幻42.匂兵部卿 ~ 44.竹河45.橋姫 ~ 54.夢浮橋

光源氏の誕生からたくさんのカノジョとの恋愛遍歴


GENJI Summary Part1-1 (桐壺 ~ 花散里)まとめ

(女性問題を起こして)謹慎生活、都に復帰・復職、大切なオクサマたちとの日々


GENJI Summary Part1-2 (須磨 ~ 乙女)まとめ

元カノの娘の玉鬘との出逢いと大豪邸六条院での暮らし


GENJI Summary Part1-3 (玉鬘 ~ 真木柱)まとめ

源氏の息子夕霧と幼なじみとのハツコイ婚


GENJI Summary Part1-4 (梅枝 ~ 藤裏葉)まとめ

栄耀栄華を極めた源氏 正室を寝取られる?!


GENJI Summary Part2-1 (若菜上 ~ 藤裏葉)まとめ

最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔

本章です🎵

源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演

薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー

Chapter 40 御法みのり 消えゆく紫の露 

第四十帖 御法みのり(Chapter 40)第二話(episode 2)まで
 紫の上の体調はよくなりません。彼女が好きな春の情景の中、法要を催し、明石御方や花散里にそれとなく別れの和歌を贈答しました。
 夏が過ぎ秋になり紫の上はますます弱っていきます。明石中宮は看病のために帰省してきます。中宮の三男の匂宮に紫の上は二条院と庭の桜と梅を託しました。

episode 3. 最愛なる貴女あなた

【超訳】御法みのり
源氏 51歳 紫の上 43歳
夕霧 30歳
明石御方あかしのおんかた 42歳
明石中宮あかしのちゅうぐう 23歳 匂宮におうのみや 5歳

✈✈✈ Let’ go to SenmojiGenji ✈✈✈

~ おくと見る ほどぞはかなき ともすれば 風に乱るる 萩の上露 ~

(少し起き上がれたけれど何かの拍子で風に吹き飛ばされそうな萩の上の露みたいなわたしだわ)

~ ややもせば 消えを争ふ 露の世に おくれ先きだつ 程へずもがな ~

(人の命なんて消えていく露みたいなもんだよね。俺も遅れたり先だったりしないでキミと一緒に消えたいよ)

そんな歌を返しながら源氏は涙を隠そうともしないの。
紫の上と源氏の哀しい歌のやりとりを聞いて明石中宮も歌を詠まれるの。

~ 秋風に しばし留まらぬ 露の世を たれか草葉の 上とのみ見ん ~

秋風に吹かれて散ってしまう露弱っていかれるお母さまのことを他人事のように見ていられませんわ)

「どうやったら千年一緒にいられるんだろうな……」
叶えられない望みだってわかっているけれど、源氏は悲しみにくれているの。

すると急に紫の上は具合が悪くなり明石中宮が手を取るの。容体が急変したので僧侶たちが呼び寄せられるの。前にも一度呼吸が止まったときに息を吹き返しているので一晩中祈祷が行われるんだけど、紫の上は明石中宮に看取られてそのまま息を引き取ってしまったの。

萩
散りゆく萩

皆が悲しみにくれる中、夕霧も駆けつけるの。紫の上に付き添っている源氏は出家の願いを叶えてやれなかったと悔やんでいるの。
 今からでも紫の上の髪を切って尼にしてやりたいって源氏は言うんだけど、髪を切った紫の上の姿に源氏の悲しみが増えるだけだからしなくてもいいんじゃないかと夕霧は引き留めるのね。

 いつかの台風のときに偶然見た紫の上にずっと憧れていた夕霧は最後にもう一度顔を見たいと几帳をめくって紫の上のそばに来るの。以前よりも美しい紫の上の死に顔に源氏も夕霧も涙を流したの。源氏も夕霧が紫の上の顔を見てももう咎めないのね。

「生きているときとこんなにも変わらないのに……」

見れば見るほど欠点のない美貌で、夕霧は自分の心が紫の上のご遺体にとどまっちゃうんじゃないかと思ってしまうほどなんですって。

源氏はなんとか葬儀の手配をしたんだけど、本葬のときはひとりで歩けないほどに焦燥しきっているの。まるで空の上を歩いているような気持ちなんですって。身体を支えてもらいながら葬送に参列する源氏の姿に人々は涙を流すの。
 夕霧の母親の葵の上を送ったときは月の形まで覚えているんだけど、今日は目を開けていても暗闇にいるような気持ちの源氏みたいなの。

To be continued ✈✈✈

 臨終シーンですが、源氏でなく明石中宮に手をとられて息をひきとりました。原文でも「ちょっと気分が悪くなりました」と紫の上が言ってからほんの数行であっけなく亡くなってしまいました。
 最後の歌で詠んだ萩の露が消えゆくような最期だったと与謝野晶子先生も訳しています。

最後まで源氏を想って……
最愛の紫の上の旅立ちに源氏は……

関連する【別冊】部分はこちら

  • 【別冊】GENJI
    topics 36 紫の思慮、光の後悔
  • 🖌Genji Waka Collection

    ~ おくと見る ほどぞはかなき ともすれば 風に乱るる 萩の上露 ~

    紫の上の最期の歌

    ~ ややもせば 消えを争ふ 露の世に おくれ先きだつ 程へずもがな ~

    六条院(源氏)が「いつも一緒だよ」と紫の上に贈った最後の歌

    ~ 秋風に しばし留まらぬ 露の世を たれか草葉の 上とのみ見ん ~

    明石中宮が敬愛する紫の上お母さまのことを詠んだ歌

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