episode 2. 彼女のいない春
GENJI【超訳】
Part Ⅱ 幾重にも広がる恋の水紋
Chapter 41.思慕、痛恨、後悔、懺悔
源氏物語 第四十一帖 幻
episode 2. 彼女のいない春
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源氏物語の今ここ! We are here!!
【超訳】1000文字源氏物語
PartⅠ 華麗なる恋絵巻
- chapter1 【桐壺】壮大なるSTORY
- chapter2 【帚木】男子会の恋バナ
- chapter3 【空蝉】つかみどころのないカノジョ
- chapter4 【夕顔】年上の彼女と癒しの彼女
- chapter5 【若紫】過ちと略奪
- chapter6 【末摘花】雪の朝の衝撃
- chapter7 【紅葉賀】死ぬまで持っていく秘密
- chapter8 【花宴】似た者同士のふたり?
- chapter9 【葵】オンナのオンネン
- chapter10 【賢木】別れ、別れ、それから密会
- chapter11 【花散里】ココロ安らぐ里
- chapter12 【須磨】とりあえず謹慎します。
- chapter13 【明石】最高のカノジョと最愛の妻
- chapter14 【澪標】命をかけて……
- chapter15 【蓬生】シンデレラストーリー?
- chapter16 【関屋】逢えなくても好き
- chapter17 【絵合】世界にひとつだけの
- chapter18 【松風】ふたりの女性と娘のこと
- chapter19 【薄雲】永遠の人
- chapter20 【朝顔】男女の友情は成立する?
- chapter21 【乙女】小さな恋の物語
- chapter22 【玉鬘】元カノのムスメ
- chapter23 【初音】源氏と六条院の新年
- chapter24 【胡蝶】娘なの? 恋人なの?
- chapter25 【蛍】恋多き父と一途な息子
- chapter26 【常夏】ふたりのムスメの明と暗?
- chapter27 【篝火】恋の炎の行方は?
- chapter28 【野分】美しいひとたち
- chapter29 【行幸】ふたりのお父さん
- chapter30 【藤袴】結婚? 仕事?
- chapter31 【真木柱】翻弄された運命の行先
- chapter32 【梅枝】すれ違うふたり
- chapter33 【藤裏葉】長く遅く遠かった春
PartⅡ 幾重にも広がる恋の水紋
- chapter34-1 【若菜上1】それは水紋のように
- chapter34-2 【若菜上2】さざ波が揺らす心
- chapter34-3 【若菜上3】慶びの春と忍び寄る影
- chapter35-1 【若菜下1】六条院の人びと
- chapter35-2 【若菜下2】春の演奏会とある願い
- chapter35-3 【若菜下3】吹き荒れる嵐の六条院
- chapter36 【柏木】想いを遺し恋に死す
- chapter37 【横笛】親友が遺した想い
- chapter38 【鈴虫】想いが交錯する秋の月夜
- chapter39 【夕霧】堅物な浮気、不器用な本気
- chapter40 【御法】消えゆく紫の露
- chapte r41 【幻】思慕、痛恨、後悔、懺悔
- chapter41extra 【雲隠】衝撃の演出
これまでのあらすじ
第四十帖 御法(Chapter 40)まで
紫の上の病状は回復せず、出家の願いも認められません。幼いころから源氏に育てられた想い出の二条院で法要を催します。明石御方や花散里にもそれとなく別れの挨拶をします。
夏が過ぎ秋になり明石中宮に手を取られながら紫の上は息を引き取ります。源氏は壮絶な悲しみに襲われます。紫の上に憧れていた夕霧は最後に紫の上の眠った顔を見ました。夕霧の他にも秋好中宮や明石中宮など多くの人が紫の上の死を悼んでいます。
超ざっくり GENJI
最愛の妻紫の上の旅立ちと源氏のイマサラな大後悔
本章です🎵
源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演
薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー
第四十一帖 幻(Chapter 41)第一話(episode 1)まで
紫の上が亡くなった秋が過ぎ冬になり新年を迎えますが源氏の悲しみは癒えることがありません。女房たちから紫の上が源氏と女三宮との結婚や朧月夜や朝顔の君などのことを気に病んでいたと聞いた源氏は大切な紫の上を悲しませていたことを悔やみます。
episode 2. 彼女のいない春
【超訳】幻
源氏 52歳
夕霧 31歳 薫 5歳
明石御方 43歳
明石中宮 24歳 匂宮 6歳
~ 光なき 谷には春も よそなれば 咲きてとく散る もの思もひもなし ~(古今和歌集)
(光の差さない谷は季節も関係なくて、花が咲いただの散っただのと感動しませんわ)
~ 泣く泣くも 帰りにしかな 仮の世は いづくもつひの とこよならぬに ~
(泣きながら帰ったんだ。この世はどこもあの世と繋がっていないから)
~ かりがゐし 苗代水の 絶えしより うつりし花の 影をだに見ず ~
(花のように美しい紫の上さまがいらっしゃらなくなってから、あなたはわたしのところに来てくれなくなったわね)
生前紫の上は明石中宮が産んだ女一の宮と匂宮を手元で育てておりとても可愛がっていました。
その匂宮に「(二条院の)紅梅と桜の花が咲いたら眺めてあげてね」と紫の上は言い遺しました。
匂宮は大好きなおばあちゃまの願いどおり花を咲かせた桜を大事にしているようですね。
紫の上と匂宮の微笑ましい約束を聞いた源氏はまた紫の上を想いしんみりしてしまいます。
「春の御方」と称されたほど春を愛した紫の上。
愛する人が愛した季節が巡ってきても愛する人がいない辛さですね。
彼女を恋ひ、彼女を慕い、彼女を偲び……
源氏の嘆きの和歌の数々
topics 37 キミがいない世界
🖌Genji Waka Collection
~ 光なき 谷には春も よそなれば 咲きてとく散る もの思もひもなし ~(古今和歌集)
女三宮が自身の心情を表すのに用いた古今和歌集の歌
~ 深草の 野辺の桜し 心あらば 今年ばかりは 墨染に咲け ~(古今和歌集)
藤壺の宮が逝ったときに六条院(源氏)が引用した古今和歌集の歌
~ 泣く泣くも 帰りにしかな 仮の世は いづくもつひの とこよならぬに ~
六条院(源氏)が明石の御方のところに泊まらずに帰るときに詠んだ歌
~ かりがゐし 苗代水の 絶えしより うつりし花の 影をだに見ず ~
紫の上のことを忘れられない六条院(源氏)のことを明石御方が詠んだ歌
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