episode 5. 大君のなげき
GENJI 【超訳】
Part Ⅲ 激しく流れる恋の川
Chapter 47.恋の終わりと恋の始まり
源氏物語 第四十七帖 総角
episode 5. 大君のなげき
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源氏物語の今ここ! We are here!!
【超訳】1000文字源氏物語
PartⅠ 華麗なる恋絵巻
- chapter1 【桐壺】壮大なるSTORY
- chapter2 【帚木】男子会の恋バナ
- chapter3 【空蝉】つかみどころのないカノジョ
- chapter4 【夕顔】年上の彼女と癒しの彼女
- chapter5 【若紫】過ちと略奪
- chapter6 【末摘花】雪の朝の衝撃
- chapter7 【紅葉賀】死ぬまで持っていく秘密
- chapter8 【花宴】似た者同士のふたり?
- chapter9 【葵】オンナのオンネン
- chapter10 【賢木】別れ、別れ、それから密会
- chapter11 【花散里】ココロ安らぐ里
- chapter12 【須磨】とりあえず謹慎します。
- chapter13 【明石】最高のカノジョと最愛の妻
- chapter14 【澪標】命をかけて……
- chapter15 【蓬生】シンデレラストーリー?
- chapter16 【関屋】逢えなくても好き
- chapter17 【絵合】世界にひとつだけの
- chapter18 【松風】ふたりの女性と娘のこと
- chapter19 【薄雲】永遠の人
- chapter20 【朝顔】男女の友情は成立する?
- chapter21 【乙女】小さな恋の物語
- chapter22 【玉鬘】元カノのムスメ
- chapter23 【初音】源氏と六条院の新年
- chapter24 【胡蝶】娘なの? 恋人なの?
- chapter25 【蛍】恋多き父と一途な息子
- chapter26 【常夏】ふたりのムスメの明と暗?
- chapter27 【篝火】恋の炎の行方は?
- chapter28 【野分】美しいひとたち
- chapter29 【行幸】ふたりのお父さん
- chapter30 【藤袴】結婚? 仕事?
- chapter31 【真木柱】翻弄された運命の行先
- chapter32 【梅枝】すれ違うふたり
- chapter33 【藤裏葉】長く遅く遠かった春
PartⅡ 幾重にも広がる恋の水紋
- chapter34-1 【若菜上1】それは水紋のように
- chapter34-2 【若菜上2】さざ波が揺らす心
- chapter34-3 【若菜上3】慶びの春と忍び寄る影
- chapter35-1 【若菜下1】六条院の人びと
- chapter35-2 【若菜下2】春の演奏会とある願い
- chapter35-3 【若菜下3】吹き荒れる嵐の六条院
- chapter36 【柏木】想いを遺し恋に死す
- chapter37 【横笛】親友が遺した想い
- chapter38 【鈴虫】想いが交錯する秋の月夜
- chapter39 【夕霧】堅物な浮気、不器用な本気
- chapter40 【御法】消えゆく紫の露
- chapter41 【幻】思慕、痛恨、後悔、懺悔
- chapter41extra 【雲隠】衝撃の演出
これまでのあらすじ
第四十六帖 椎本(Chapter 46)まで
薫から宇治の姉妹の話を聞いた匂宮はふたりとコンタクトをとるために宇治に出かけます。薫も滞在先の夕霧の別荘で出迎えます。そこへ八の宮から和歌が届きますが身分柄匂宮は八の宮邸を訪問できません。自分をアピールしようと匂宮は桜の枝と和歌を姉妹に贈ります。返歌は中の君が詠みます。
八の宮は薫に自分亡きあとの姫君たちを託します。娘たちには「簡単には結婚しないように」「宮家の品位を保つように」言い遺して亡くなります。
悲しみにくれる姉妹を匂宮も薫も心配しています。薫は大君への恋ごころを自覚し、匂宮には中の君との仲をとりもとうと考えます。
超ざっくり GENJI
源氏亡きあとの物語 表向き源氏の息子の薫と源氏の孫の匂宮のダブル主演
薫と匂宮と宇治の三姉妹とのラブストーリー
本章です🎵
第四十七帖 総角(Chapter 47)第四話(episode 4)まで
八の宮の一周忌を迎え、供え物の総角結びになぞらえて、薫は大君に「ずっと一緒にいたい」と恋の歌を贈りますが大君は応えようとしません。自身は父の遺言に従い独身を通し、妹の中の君と薫を結婚させようと考えているようです。
一方薫は大君との仲がなかなか進展しないので、匂宮と中の君を先に結婚させようと計画し、匂宮と宇治を訪れます。匂宮は一夜のうちに中の君と深い仲になり結婚してしまいます。中の君の魅力に匂宮は夢中になります。
ただ都から宇治への通い婚は距離があり、匂宮の母である明石の中宮がこの結婚に反対しており、ふたりはなかなか逢うことができません。
episode 5. 大君のなげき
【超訳】総角 宇治十帖
薫 24歳 匂宮 25歳
大君 26歳 中の君 24歳
夕霧 50歳 明石中宮 42歳
~ 秋はてて 寂しさまさる 木の本を 吹きな過ぐし 嶺の松風 ~
(秋が終わって寂しくなる木の間を松風もあんま激しく吹くなよ……)
(逢いたくて逢いたくて仕方ないのにそんなに妨害すんなよ……)
~ ながむるは 同じ雲井を いかなれば おぼつかなさを 添ふる時雨ぞ ~
(同じ空を眺めているのに、こんなに逢いたいって想う気持ちが時雨になっているんだ)
~ あられ降る 深山の里は 朝夕に ながむる空も かきくらしつつ ~
(あられが降る深里は(あなたが眺めているという)空も曇っているわ)
(時雨どころかあられみたいな涙を流しているからあなたが見ている空も見えないわ)
匂宮は帝の皇子なのでお出かけにもそれなりの格式や従者を備えないと「軽々しい」と思われてしまうようですね。
匂宮自身は中の君や大君のことを親がいないからと見下すようなことはしていないのですが、明石の中宮をはじめ一般的には後ろ盾となる有力な身分の父親のいない女性との結婚は「ただのお気に入り」としか認識してもらえないようですね。権力者夕霧の娘との結婚が決まってしまいました。
もともと身体が丈夫でない大君はこのニュースでますます具合が悪くなってしまいました。
生真面目男子と息をするように恋する男子
あれ、この設定って……
topics 42 なにやら聞いたことのあるハナシ
🖌Genji Waka Collection
~ 秋はてて 寂しさまさる 木の本を 吹きな過ぐし 嶺の松風 ~
宇治まで来たのに中宮さまに妨害されて中の君に逢えず匂宮が詠んだ歌
~ ながむるは 同じ雲井を いかなれば おぼつかなさを 添ふる時雨ぞ ~
なかなか逢いに行けない匂宮が中の君を想って詠んだ歌
~ あられ降る 深山の里は 朝夕に ながむる空も かきくらしつつ ~
匂宮が通ってこないので中の君がもう飽きられたのかと落ち込み詠んだ歌
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