chara-book 10. ワンナイトラブも運命的な出逢い？！

方違えで訪れた屋敷に滞在している女性。屋敷の主の父親の後妻の話を源氏は聞きます。「中流階級の女子が意外といい」友人の頭中将たちのそんなウワサ話を聞いたばかりの源氏は興味を持ち、半ば強引に一夜を過ごします。また逢いたい、付き合いたいと熱烈に文や和歌を源氏は贈りますが、彼女は受領の妻である自分の立場を自覚し、源氏のアプローチを拒絶します。再度訪れてきた源氏をかわすときに衣だけを残します。「まるでセミの抜け殻みたいだ」源氏がそう発したことから彼女は「空蝉」と呼ばれるようになります。

源氏が須磨での謹慎生活を終え復職した頃、逢坂の関で偶然空蝉とすれ違います。源氏は懐かしく空蝉に和歌を贈ります。ふたりはあの一夜の事を忘れておらず空蝉も源氏の事を想っていましたが、再会することはありませんでした。その後空蝉の夫が亡くなり、義息子から言い寄られ、断るために出家します。出家後源氏は別宅に呼び寄せました。