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topics 45. これぞテッパン中の大テッパン!

GENJI topics Part3中の君,匂宮,,源氏topics,浮舟,二条院,光源氏,源氏物語,紫式部,超訳

GENJI 【別冊】

GENJI essay

topics 45

これぞテッパン中の大テッパン!

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GENJI 【別冊】GENJI エッセイ

 千年語り継がれる不朽の名作『源氏物語』も実はツッコミどころ満載!?
 源氏物語を【超訳】しながら感じた管理人の個人的な雑感エッセイです。シロウトの感想なので偏った見方をしているかもしれません。


 古典を専門には学んでいないイチ源氏物語ファンの書く軽いタッチのハンドブックです。よかったらご覧になってください。史実、原作と異なる等、明らかな間違いはご指摘いただきたいのですが、基本的にはゆるく、広いお心でお読みいただければと思います。
 お歴々の源氏物語を研究されている方々、現代語訳をなさっている皆様、源氏物語ファンの皆様方、それから紫式部サマ、どうか怒らないでください。お願いします。

 本章はGENJI topics です。
 源氏物語のエピソードにまつわる管理人の雑感エッセイです。

 あくまでも管理人の独断と偏見エッセイです。ゆる~く眺めてやってください。皆さまのまなじりが一瞬でも下がったり、口角が数ミリ上がったり、クスクス笑いのひとつでも漏れたのなら、管理人の望外の喜びとなります。

topics 45. これぞテッパン中の大テッパン!

第五十一帖 浮舟(Chapter 51 狂い始める恋情)に寄せて

✈✈✈ Let’ go to GENJI world ✈✈✈

これぞ恋愛小説! といっても過言ではないテッパン中のテッパン設定が三角関係ですよね。ひとりの女子と彼女のことを好きな男子ふたり。女の子は片方の男子を好きだったり付き合ったりしているんだけれど、どうしてももうひとりの男子のことも気になってしまう。彼も彼女のことを好きだと猛アピール。

えてして主人公の女子が好きになるのはカンペキ男子でない方。
「こっちにしておけばいいのに……」と読み手が感情移入してしまうのはカンペキくん。
「でもやっぱりこっちに惹かれちゃうか……」欠点もあるのにそれすらも魅力に思えてしまうモテ男くん。

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宇治十帖になぞらえると、主人公女子はもちろん浮舟で、欠点のないカンペキ男子が薫で、やめておけばいいのにどうしても惹かれてしまう魅力男子が匂宮ということになるのかしら?

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亡くなった大君にそっくりの姫がいると中の君に聞いた薫が浮舟を見つけだします。浮舟を亡くなった恋しい人の「身代わり」にしようとします。高貴な身分の正室がいるので、浮舟をこっそり宇治に匿っておこうとするみたいですね。一夫多妻だからもっと堂々と側室として迎えていたら展開は違ったかな? とは思いますけどね。身分的な問題もあるのかしら?

そんな浮舟ちゃんを匂宮も見つけてしまいます。源ちゃん譲りの(DNA?)恋愛体質でひとめで恋に落ちます。薫が先に付き合っているなんて遠慮も配慮もまったくない匂宮はあっという間に深い仲になってしまいます。宇治川を舟で渡って小屋に連れ出してふたりっきりのひとときを満喫するなんて、おじいちゃんの源ちゃんが夕顔さんを連れ出したデートとよく似ています。

このとき浮舟ちゃん22歳、薫くん27歳、匂ちゃん28歳。たぶんこれまで恋愛経験のない女の子に5、6歳年上のオトナ男子ふたり、しかも全く違うタイプの男子。浮舟ちゃんママが「超ド級のイケメンさま!」と大絶賛したそのイケメンさまふたりからの恋のアプローチ。そりゃ惑わされちゃいますね。

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真面目なお付き合いをして恋人として責任をとろうとしている薫に、ドキドキするサプライズデートを演出してくれる匂宮。最初に付き合った(おそらくカラダの関係も)のは薫なので薫と結婚するのが筋でしょう。後から割り込んできた匂宮のことなんて相手にしなければいい。それがそうはいかないのが人の気持ちなのでしょうね。生真面目男子より展開の読めない奔放男子にどうしても気持ちが揺れてしまいます。

上品で美しくて賢くて、和歌も音楽もなんでも一流のカンペキ薫くんの前では浮舟ちゃんは失敗しないように、きちんとしていないと、って緊張していたかもしれません。身分のこととか田舎で育ったこととかで引け目を感じていたのかも。
 それが薫以上に身分が高い匂ちゃんはとってもフレンドリー。自分に正直といってしまえばそれまでだけど飾らない性格で浮舟ちゃんも打ち解けやすかったのかもしれません。
「マジで可愛いね!」「オレ、チョードキドキしちゃってんだけど!!」なぁんて言ってたんじゃない? 薫くんが絶対言わないことをね。

だってさ、匂ちゃん、カレシ(薫)のフリしてやって来ていきなり襲っちゃったんだよ? 女子的にはフツー恐ろしくてすぐにでも帰って欲しいんじゃない? しかもさ、義理のおねえさんのダンナ。エライことじゃん。
 それが匂ちゃんが帰るころには「お別れしたくないわ」なんて歌まで詠んじゃう浮舟ちゃん。イケメンだから? チャラチャラ音が聞こえそうな愛の言葉のおかげ? ころっと落ちちゃった? 

「一緒にいられないなら死んでしまう」
いやいや、死にませんて、におちゃん。
 でも至近距離でイケメンからそんな風に言われちゃったらやっぱりトキめいちゃうの? 顔がいい上に胸キュン言葉にドキドキシチュエーション。壁ドン床ドンどこでもドンして、顎もクイしてフルコースだったのね? 
 舟で対岸の家に連れ込んだ2泊3日アバンチュールデートなんて「見苦しいほど戯れた」ってさぁ……、におちゃん……。上着を脱いでいる浮舟ちゃんの身体つきがどうだのこうだの、やたら艶めかしいんですよね、ここのシーン。「秘め事」ってそんなもの? 「秘め事」だからなのかしら? 

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「匂宮は遊び人だからやめといた方がいいよ」
「薫の方がのちのち絶対大事にしてもらえるってば」
「匂宮なんて今だけですぐに他の女子に行っちゃうわよ」

 きっと今も昔も読み手の皆さんの意見はこんなカンジじゃないかしら?

わかっているの。頭ではわかっているの。でもあのカレとのデート……。あんな気持ちは初めてなの。心が求めてしまうの。でもそれは誠実なあの人を裏切ってしまうことなの。こんなわたしを好きだと初めて言ってくれた人なのに。とてもステキな人なのに。

でも……、カレのことが忘れられないの。こうしてカレのことを想うだけで胸がどきどきしてしまうの。こんな気持ちになってはいけないのに。
 でもでも穏やかなあの人の顔も目に浮かぶわ。いつも優しくて気品があってこの人についていけば幸せになれるってわかっているのに。

あああああ、もう! どっちにするの? 匂宮にしちゃうの? それとも薫??

千年前の物語でもこんな「ドテッパン」な三角関係が描かれていたのですね。というかここが発祥?
 夕霧と雲居の雁の「幼なじみハツコイ婚」も千年続くテッパンだと前に書きましたが、こちらの「女子めぐる三角関係」も大大テッパンですね。

 何度も言います。これ千年前の物語です。世界最古と言われる物語です。

この物語で披露されるエピソードの設定がいかに現在でも「テッパン」として通用しているかを考えるとスゴイという言葉では表現しきれませんね。

三角関係も幼なじみも。
 誰もが共感してしまうから誰もが用いてしまうテッパン設定なのかもしれませんね。

さてさて
匂宮タイプと薫タイプ、どちらがお好きですか? あなたならどちらを選びますか?
 浮舟ちゃんはどうすると思いますか?

 男性の皆さんは匂ちゃんタイプと薫くんタイプ、どちらのタイプ?

和CAFEMatcha Macaroons

To be continued ✈✈✈

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