2022-01-09GENJI topics Part1-2薄雲,第十九帖,藤壺の宮,源氏topics,紫の上,光源氏,桐壺更衣,源氏物語,紫式部,超訳
GENJI 【別冊】
GENJI essay
topics 13
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GENJI 【別冊】GENJI エッセイ
本章はGENJI topics です。
源氏物語のエピソードにまつわる管理人の雑感エッセイです。
あくまでも管理人の独断と偏見エッセイです。ゆる~く眺めてやってください。皆さまのまなじりが一瞬でも下がったり、口角が数ミリ上がったり、クスクス笑いのひとつでも漏れたのなら、管理人の望外の喜びとなります。
topics 13. 紫は悲恋の色?
第十九帖薄雲(Chapter19 永遠の人)に寄せて
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とうとう永遠の恋人藤壺の宮さまが亡くなられました。
彼女、どんな人生だったとご自分では思っていらっしゃるかしら。望まれて入内したもののそれは帝の愛する人(桐壺の更衣=源氏のお母さん)に似ているからという理由。その息子の源氏から命がけで愛され、自身も源氏を愛していたけれど、決して自分の気持ちは明かせなかった。それでもひととき結ばれて愛する人の子どもを産んだ。けれどもそれは罪を犯した罰を受けることでもあった。今では考えられないくらい自由に恋愛をしていた当時でも源氏との恋は秘めた恋、禁じられた恋でした。
源氏も表立っては父院のお妃である宮さまとの関係を保たなければなりません。臨終の際にもお互い本心を伝えあうことは叶いませんでした。
桜の花咲く春に宮さまは亡くなります。今年の桜だけは墨染(喪服の色)で咲いてくれと源氏は嘆きます。宮さまを送った野辺の送りの夕暮れの薄雲は鈍色でした。
源氏のお母さんの桐壺の更衣の「桐」の花をご存知ですか? 薄い紫色です。桐壺帝との恋で幸せもツラさも味わいました。
源氏と罪に堕ちた藤壺の宮さまの「藤」も紫色です。白など他の色もありますが、「藤色」とは淡い紫色です。源氏との恋はこれこそ悲恋ですね。想い合っているのに罪の関係だった。
そして彼女に似ているからと手元に置いて愛した女性を源氏は「紫の上」と呼ぶようになります。藤壺の宮にゆかりのある人だからと。紫の上は藤壺の宮の姪にあたります。
紫の上の恋は成就はしているけれど、恋のつらさも絶えず味わいます。そもそも源氏が自分に興味を持ったきっかけが憧れの人(藤壺の宮)に似ていたからということを彼女は知っていたのでしょうか。
源氏からも周囲からも「源氏に一番愛されている人」と認められながらも心は傷つくことばかりでした。
Strawberry
Daifuku
3人に共通するのは「紫」です。「ゆかり」とも読みますね。
源氏物語を十九帖まで進めてきて思うことは、みなどこかに闇を抱えたり、泣いているんじゃないかということです。
華やかな恋愛絵巻なんていうけれど、愛し愛され幸せいっぱいのハッピーカップルなんて見当たらないのです。
その中でも恋の哀しさを味わった上記の三人の女君がた。
お三人に共通する「紫」の色はこの物語では「悲恋」の象徴なのかしら? とも思ったりもします。
そしてこの十九帖ではとうとう冷泉帝が自分の出生の秘密を知ります。
本当の父親は源氏だった。頼りになる敬愛する兄ではなかった。
この時冷泉帝は14歳。すでに成人の儀(元服)も終え、帝位に就き、結婚もしていて、現在の中学生とは比べようもありませんが、それでも十代の少年には衝撃の事実だったでしょうね。
なにより源氏は親王から臣下に降りている身分。その源氏を父に持つ自分が帝位についているのは異常事態だと動揺します。
冷泉帝が帝位についているのは(表向きの)父親が桐壺院だからです。源氏も桐壺院の子どもで親王でしたが、桐壺院が源氏の将来を想って臣下に下ろしているので、(本当の)血筋から考えると自分は帝位についてはいけない身分だと気づいてしまいます。
Nerikiri
「就いてはいけない自分が帝位についているから、天変地異や大切な人が次々と亡くなってしまうんだ」
冷泉帝は思い悩みます。
血筋で言えば桐壺院の子どもである源氏の方が帝位にふさわしい。今からでも帝位を源氏に譲ろうと話をしますが、源氏は固辞します。
冷泉帝のうろたえように源氏ももしかしてバレた? と焦りますが冷泉帝本人に確かめるわけにもいかず、藤壺の宮さまサイドは秘密を守っているというので、それ以上追及することはしませんでした。
O-sencha
(恐らく)源氏のことを想いながら天に昇った藤壺の宮さま。
永遠の人を想いながら、息子の臣下に徹する源氏。
真実の父母のことを想う冷泉帝。
周囲に知られれば政変を起こしかねない恋だったけれど、
その罪も罰も背負うとそれぞれが誓い
ひとことの想いも交わさずに
それでも想い合った。
どんなに罪だとわかっていても。
どんな罰が待ち受けていようとも。
それでも遂げたい想いというのもあるのかな、とは思ったりもします。
人が後付けではめ込んだ制度や周囲の思惑の外にも人を恋ふる純粋な感情はあって……。
確かに罪を推奨しても賞賛してもいけないのだけれど、
哀しくせつないひとつの恋のお話でした。
この恋だけが物語だったなら感涙の純愛悲恋ストーリー……
だったのですけれどね……。
ねぇ、源氏くん。
To be continued ✈✈✈
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