summary 3 匂兵部卿~夢浮橋
1日1000文字源氏物語
GENJI summary
第三部 激しく流れる恋の川
Part 3(匂兵部卿~夢浮橋)まとめ
Let’s enjoy GENJI world comfortably.
Welcome to SenmojiGenji World!!
お気楽お気軽源氏物語ワールドにようこそ!!
「1000文字源氏物語」倶楽部の管理人のりらです。
全54巻の大長編小説の源氏物語。
とうとう!!
ようやく!!
当ブログで分類している第三部「激しく流れる恋の川」が完結し、これで長い長い「源氏物語」完! ということになります。
話し言葉で【超訳】する源氏物語。
どうでしたしょうか。お楽しみいただけましたか?
多くのキャラクターやエピソードが登場しました。
源氏物語は多くの学者さんがいろいろな区分けをしています。
当ブログではこのように分けています。
- 第一部
- Part1-1 第一帖【桐壺】~ 第十一帖【花散里】
- Part1-2 第十二帖【須磨】~ 第二十一帖【乙女】
- Part1-3 第二十二帖【玉鬘】~ 第三十一帖【真木柱】
- Part1-4 第三十二帖【梅枝】~ 第三十三帖【藤裏葉】
- 第二部
- Part2-1 第三十四帖【若菜上】~ 第三十九帖【夕霧】
- Part2-2 第四十帖【御法】~ 第四十一帖【幻】
- 第三部
- Part3-1 第四十二帖【匂兵部卿】~ 第四十四帖【竹河】
- Part3-2 第四十五帖【橋姫】~ 第五十四帖【夢浮橋】
第三部Part3-1、3-2 のざっくりまとめです。
Part 3 登場キャラ相関図
Part 3 登場キャラ
第三部 激しく流れる恋の川
主な登場人物
匂宮
Niou-no-miya
明石中宮の第三皇子。紫の上の元で育てられ特に可愛がられる。祖母の紫の上から二条院を託され、梅と桜を大切にする約束をする。
源氏にとっての紫の上のような最愛の女性を探し求める。
薫をライバル視しており、仕事でも恋愛でも薫より抜きん出ようとしている。
薫
Kaoru
女三宮が産んだ男児。源氏の二男とされているが、真実の父は柏木。気高い容姿でどことなく柏木に似ている。
幼いころに自身の出生に疑問を持ちはじめ、恵まれた身分にもかかわらず出世よりも出家を望んでいる。
宇治の姫君たちとの出逢いが薫の生き方や考え方にも影響を及ぼす。
八の宮
Hachi-no-miya
桐壺帝の第八皇子。朱雀院の母である弘徽殿女御の策略で東宮擁立に利用されたがのちの冷泉帝となる第十皇子(藤壺の宮と源氏の子)が東宮になったことで皇族でありながら忘れられてしまう存在。
妻を亡くし、ふたりの姫君と宇治で隠棲生活を送っているが、薫から慕われ交流を深める。真摯な薫に姫君を託した直後に亡くなる。
大君
Ooigimi
八の宮の長女。父八の宮と妹の中の君と宇治で暮らしている。父の元を訪ねる薫に見初められる。父の遺言で「宮家の品位を落とさないように」「簡単に結婚しないように」と言い渡されており、薫の熱心なアプローチにも応えない。
妹の中の君が匂宮と結婚するものの、有力貴族の夕霧の娘とも婚約するとのうわさを聞き体調を崩してしまう。薫に看取られながら息を引き取る。
中の君
Nakanokimi
八の宮の二女。父八の宮と姉の大君と宇治で暮らしている。薫から宇治の姉妹のウワサを聞いた匂宮から恋の歌を贈られる。
大君と結婚したい薫は先に匂宮と中の君を結び付けようと計画し、匂宮と結婚することになる。父と姉の死後、匂宮が自宅の二条院に迎え入れる。匂宮の女好きな性格に悩まされながらも若宮を出産する。
浮舟
Ukifune
大君と中の君の異母妹。母の再婚で地方で育ったが都にもどってきて中の君と面会する。大君と容姿が似ているので中の君が薫に紹介する。
身分差はあるものの薫から庇護のアプローチを受ける。事情があり中の君の計らいで二条院に滞在中に匂宮とも遭遇する。薫に宇治に囲われるが、匂宮とも関係を持ってしまい三角関係に陥る。
冷泉院
Reizei-in
母は藤壺の宮。実の父は源氏だが表向きは桐壺帝の第十皇子として即位。秋好中宮や新弘徽殿女御と結婚しているが、退位後に玉鬘の娘と結婚、姫君、若君に恵まれる。
源氏の没後は源氏の二男である薫を我が子のように目をかけて可愛がる。実の父が柏木で不義の子であることはもちろん知らない。薫が八の宮と交流するきっかけを作る。
夕霧
Yugiri
源氏と葵の上の息子。源氏の没後は源氏の妻など周囲の人々の面倒を見ている。源氏の六条院に再婚した女二宮を住まわせ、藤典侍との子である六の君の養育をまかせる。自身の娘と匂宮や薫と結婚させたいと考えている。
明石中宮
Akashi-no-cyugu
源氏と明石御方の娘。紫の上の養女となり、後宮に入内、今上帝の中宮となる。4男1女を産む。
三男の匂宮の結婚には考えがあるようで、匂宮と宇治の姫君との付き合いや結婚に反対している。
玉鬘
Tamakazura
源氏とのデート中に変死してしまった夕顔の娘。父は太政大臣(元頭中将)。紆余曲折を経て源氏に養女として引き取られる。髭黒大臣と結婚したが死別。ふたりの娘に多くの結婚の申し込みがあり、相手について悩んでいる。
今上帝
Kinjo-no-mikado
朱雀院の第一皇子。明石中宮の夫。玉鬘の娘を入内(妃にする)させようと考えている。
女三宮
Onna-sannomiya
朱雀院の内親王。13歳のときに源氏の正室となる。
恋狂いの柏木に一方的に襲われ懐妊、薫を出産。源氏に柏木との密通を責められ嫌味を言われる。出産後出家する。朱雀院から贈られた三条の宮に住み、息子の薫に頼り切っている。
雲居の雁
Kumoi-no-kari
太政大臣の二女。初恋を実らせ夕霧と結婚。4男4女をもうける。夕霧が女二宮と結婚したことに傷つき腹を立て実家の内大臣邸に子供を連れて戻っていたが、夕霧との住まいの三条邸に戻った模様。
息子の蔵人少将が玉鬘の娘との結婚を望んでおり、異母姉の玉鬘に手紙を出す。
藤典侍
Tou-no-naishinosuke
源氏の従者惟光の娘。夕霧と雲居の雁の結婚後、夕霧の側室となり2男2女を授かる。典侍として宮中で仕えている。娘の六の君は女二宮に養育され、匂宮と結婚することになる。
女二宮
Onna-ninomiya
朱雀院の内親王。初婚の柏木と死別後、夕霧と再婚。六条院で夕霧の娘である六の君(生母は藤典侍)の養育をしている。
紅梅
Kobai
柏木の弟。前太政大臣(元頭中将)の藤原家の家督を継いでいる。初婚の妻と死別後真木柱と再婚。お互いに連れ子がおり、結婚相手に匂宮をと考えている。
真木柱
Maki-no-hashira
髭黒の大将の娘。源氏の弟の蛍兵部卿宮と結婚し、宮の御方をもうけるが死別。紅梅と再婚し若君を授かる。お互いの連れ子の結婚相手に誰がふさわしいか悩んでいる。
新弘徽殿女御
Shin-Kokiden-no-nyogo
太政大臣(頭中将)の長女。冷泉院妃。冷泉院が異母姉の玉鬘の娘との結婚を望んでいるので「こちらのことはお気になさらず」と玉鬘に口添えする。
六の君
Roku-no-kimi
夕霧と藤典侍の娘。六条院で女二宮に養育される。夕霧の自慢の娘で匂宮と結婚する。
内親王
Naishinnnou
今上帝の娘。母を亡くしており行く末を心配した帝が薫に降嫁させる。薫の正室となるが、主従のような関係である。
横川僧都
Yokawa-no-sozu
中宮などにも仕える高僧。宇治で倒れていた浮舟を助ける。本人の強い希望で浮舟を出家させるが、薫の恋人であることを知り還俗をすすめる。
小野の妹尼
Ono-no-imoutoama
横川僧都の妹。横川僧都が身元不明の姫を助けた話を聞き、自身の亡くした娘のかわりに看病をする。
紫の上
Murasaki-no-ue
源氏の最愛の妻。明石中宮の育ての母。生前孫の匂宮をとても可愛がっており、二条院の梅と桜を愛でることと二条院に住む約束を匂宮と交わす。
匂宮にとっては憧れであり理想の女性。
花散里
Hanachirusato
源氏の妻で夕霧や玉鬘の母親代わりを務める。源氏の死後は二条院の東院に移り住む。
明石の御方
Akashi-no-onkata
源氏の妻で明石中宮の生母。明石中宮や皇子方の後見として後宮(桐壺)を取り仕切っている。
光源氏
Hikaru-no-genji
桐壺帝と桐壺更衣の間に生まれる。母を亡くし、帝のはからいで臣下に下り源氏姓を名乗る。憧れの藤壺の宮への想いが満たされないまま数々の女人と付き合い愛を探し求め、愛にさすらう。
多くの女性と関係を持ったがそのことで紫の上を傷つけ苦しめていたことに晩年気づく。紫の上を失ってからはひたすら彼女を想い、彼女を恋い慕い、嘆き悲しむ。
第三部は源氏の没後8年経ったところから始まる。
主な登場人物
桐壺院
Kiritsubo-in
源氏の父。桐壺更衣と源氏を寵愛する。桐壺更衣を亡くしたあとに容姿がよく似ている藤壺の宮を入内させ中宮とした。故人。
桐壺更衣
Kiritsubo-no-koi
源氏の母。さほど身分は高くなかったが亡き父親の遺言で桐壺帝に入内。帝からの寵愛を受け源氏を出産するが、弘徽殿女御らの嫌がらせを受ける。源氏が3歳のときに亡くなる。故人。
葵の上
Aoi-no-ue
源氏が元服時に結婚した正室。打ち解けない夫婦仲だったが息子夕霧を出産。直後に亡くなってしまう。
空蝉
Utsusemi
伊予の守の妻。一夜を過ごした源氏と文の付き合いを続ける。
夫の死後出家。源氏が東の院に呼びよせる。
夕顔
Yugao
中流階級のカノジョ。源氏と付き合う前に頭中将とのあいだに娘をもうけている。源氏と隠れ家デート中に変死してしまう。源氏にとって心許せる癒しの存在。
藤壺の宮
Fujitsubo-no-miya
源氏の母に容姿が似ている理由で桐壺帝に入内。中宮となる。源氏から求愛され罪の子を宿し出産。桐壺院の一周忌後に出家。源氏の永遠の憧れのヒト。桜の季節に亡くなる。
朝顔の君
Asagao-no-kimi
源氏の従姉。源氏の初恋の君だが、朝顔の君が恋人関係になるのを拒む。源氏とは風流な文をやりとりする間柄。自身のタイミングで出家する。
末摘花
Suetsumuhana
都でウワサの深窓の令嬢。和歌が苦手なユニークキャラ。
源氏の謹慎、復帰後も一途に源氏の来訪を待ち続け、二条院の東の院に呼んでもらう。
朧月夜
Oborotsukiyo
源氏の兄、朱雀帝の妃。入内前に源氏と付き合っており、入内後も関係を続けていたが、皆にバレてしまいバッシングを受ける。
朱雀院の出家後実家に戻る。源氏に迫られ復縁。しばらく付き合いを続けるが、自身のタイミングで出家。ふたりの男性に愛されながら恋に生きた女性。
六条御息所
Rokujo-no-miyasunndokoro
前の東宮妃で未亡人。趣味も教養も高いセレブリティ。源氏を深く愛するあまり、源氏に関わりのある女人たちに恨みをいだくようになる。源氏の正室の葵の上を生霊となって呪う。
娘である斎宮の任期が終わり京に戻り出家。源氏に再会後に亡くなる。亡くなったあとも魂は源氏の元にあり、紫の上を呪って弱らせ、女三宮を出家に追いやった。
朱雀院
Suzaku-in
桐壺帝の第一皇子。源氏の兄。母は弘徽殿女御。朱雀帝として即位、現在は帝位を冷泉帝に譲り朱雀院となる。
出家をするにあたり娘の女三宮を源氏に降嫁させる。この朱雀院の出家が第二部の波乱怒涛の展開の起点となる。
前太政大臣(頭中将)
Saki-no-Ookiotodo
父は左大臣で葵の上の兄。源氏の友人でありライバル。故人。娘の雲居の雁が源氏の息子の夕霧と想いあっているのを快く思わずふたりを引き離すが、出世した夕霧を認め、娘との結婚を認める。
長男の柏木は自慢の息子だったが(大臣にとっては)原因不明の病に伏し亡くなってしまう。頼りにしていた長男の死を嘆き悲しむ。
柏木
Kashiwagi
太政大臣の長男。夕霧の親友で雲居の雁の義母兄。出世のために身分の高い女性との婚姻を望み、朱雀院に女三宮との結婚を願い出るが身分が釣り合わないと断られる。女三宮が源氏と結婚したあとも女三宮に固執し、自身が女二宮と結婚後も女三宮に懸想し、とうとう一線を越えてしまい妊娠させてしまう。女三宮との密通が源氏に知られてしまい病に伏す。男児の誕生と女三宮の出家を知ったあとに逝去。
秋好中宮
Akikonomu-no-chugu
前の春宮と六条御息所の娘。朱雀帝の御代に伊勢の斎宮となり、母親とともに伊勢へ赴く。任期を終え京に戻るが母が他界。源氏の養女となり冷泉帝に入内、中宮となる。六条院秋の御殿主。母が亡くなった秋に心を寄せるエピソードから秋好と呼ばれるようになる。
明石入道
Akashi-no-nyudo
明石御方の父。三位中将だったが播磨守となりその後出家。「一族から帝と皇后が産まれる」の願をかなえるために娘の良縁を望む。娘が明石女御を産み、東宮に入内し若宮を出産。自身は明石で勤行を続け、願を果たすと山へとこもった。
明石尼君
Akashi-no-amagimi
明石御方の母。娘の明石御方が明石の姫君を産んだので娘と姫君と共に京に上る。姫君の将来のために身分の高い紫の上に養母になってもらうことに賛成し明石御方を説得。姫君が女御となり出産のために六条院に里帰りしたときに再会、実の母が明石御方で自身が祖母であることを女御に明かす。いずれは皇后の祖母、帝の曾祖母となる。
弘徽殿大后
Kokiden-no-ookisaki
桐壺帝の妃。桐壺帝が寵愛する桐壺更衣に数々の嫌がらせをする。出産した第一皇子は朱雀帝として即位。妹の朧月夜を朱雀帝に入内させる。父は右大臣。
朧月夜と源氏の関係を朱雀帝への謀反と主張し源氏を政治の表舞台から追いやったが、朱雀帝が源氏を復職させたことで思惑通りにはならなかった。
近江の君
Omi-no-kari
内大臣が引き取った姫。個性的なキャラクターで、評判のいい玉鬘に対してあまりよく描かれていない。
髭黒大将
Higekuro-no-taisyo
今上帝の叔父。故人。病気の妻がいるが玉鬘に求婚し、玉鬘が宮中に上がると聞いて諦めきれず彼女の寝室に乱入し無理矢理結婚してしまう。
印象的なエピソード ~ Impressive episode ~
紫の上と匂宮との約束
紫の上は明石中宮の子である女一之宮と匂宮を育てており可愛がっていた。「大きくなったらこの二条院に住んでね。庭の梅と桜の花を眺めてあげて。仏様にもお供えしてね」
紫の上は匂宮と約束を交わした。
成人した匂宮は後宮にも住まいがあるにもかかわらず、大好きなおばあさまとの約束を守り二条院に住んでいる。
匂宮にとって紫の上は理想の女性。源氏にとっての最愛の紫の上のような女性を自身も求めている。
源氏と女三宮の二男として産まれた薫は皇族にもひけをとらない身分で順調に出世しているが、誰にも言えない悩みがある。
幼いころに「薫は本当に源氏の子なのか?」という女房達のウワサ話をきいてしまったのだ。もし源氏の子でないのなら本当の父は誰なんだ。それに源氏の子だから周りに可愛がってもらっているのに皆を裏切っているのではないか。
薫の悩みは宇治で明らかになる。八の宮邸に務めている弁の君という女房から真実の父は若くして亡くなった柏木だと告げられる。
薫は冷泉院邸で経文の講義をしている阿闍梨から宇治の八の宮の話を聞き興味を持つ。八の宮は出家はしていないが俗世のしがらみを断って俗聖として暮らしている。
薫は宇治を訪れ教えを乞う。通ううちに八の宮のふたりの娘にも興味をもつようになる。薫の人柄を信用している八の宮は娘たちのことを薫に託す。修行に籠った山寺で亡くなる。
薫は宇治の八の宮邸を訪ねるうちにふたりの姫君にも興味を持ち始める。いつしか控えめながら返歌や話をしてくれる大君に愛情を持つようになる。
八の宮の死後に総角の飾りになぞらえて「ずっと一緒にいたいんだ」と薫は大君に恋歌を贈った。
薫から宇治の姉妹の話を聞いた匂宮も宇治を訪れ、姉妹と近づきたいと思うように。中の君と歌のやりとりをするようになり、薫のたてた作戦で電撃婚を果たす。
中の君の電撃的な結婚後、匂宮と夕霧の娘の婚約を知り元々病弱だった大君は体調を崩してしまう。大君は無理に関係を迫らずにいた薫に大君は友情のような愛情のような気持ちを持つようになっていた。
最後は薫がつきっきりで看病するが、そのかいもなく息を引き取る。薫は哀しみのあまり都に戻らず宇治に引きこもる。
中の君と結婚した匂宮だが、母の明石中宮が快く思わず宇治への通い婚が困難になってくる。
大君の死に対する薫の嘆き悲しむ様子に明石中宮の態度も軟化。匂宮は源氏と紫の上から譲り受けた二条院に最愛の妻として中の君を迎えることにする。
薫は大君の死を嘆きつつも「自分が中の君と結婚すればよかった」とも思う。
薫が二条院で暮らしている中の君を匂宮の留守中に訪れていると、匂宮は中の君と薫の仲を疑うようになる。
中の君は疑われるような仲ではないので匂宮のけん制を疎ましく思っている。薫も中の君に好意は持っているが、友人の匂宮の妻であり匂宮に大事されていることを安心してもいる。
中の君は自分に好意を寄せてくる薫の気をそらそうとある姫の話を持ち出す。その姫は大君や中の君の異母妹で容姿が大君に似ているらしい。
宇治の山荘(元八の宮邸)に出かけた際に偶然大君にそっくりの姫君を見かけ、庇護したいと申し出る。
中の君も仲立ちとなり、姫君(浮舟)にも薫を紹介する。薫も浮舟と対面し宇治に匿うことにする。
大君と中の君の異母妹である浮舟はある事情で自宅にいづらくなり、中の君の計らいにより二条院に滞在することになる。浮舟の滞在を知らされていない匂宮は二条院にいる浮舟と遭遇し、見目の良い女房と思う。
やがて浮舟が薫の恋人であることを知るが、薫への対抗心薫と中の君への嫉妬などから浮舟に横恋慕する。強引に浮舟と関係を持ち、薫から奪おうとする。
薫が宇治に囲っている浮舟と匂宮は強引に恋人関係になってしまう。浮舟は薫に対して申しわけない気持ちを抱きつつも匂宮にも惹かれてしまう。とはいえ将来も責任を持とうとしている薫を裏切ることもできない。
匂宮は直情的に盛り上がり浮舟の心と体を奪いつくそうとする。薫は匂宮と浮舟の関係を知り、「信じていたのに」と浮舟の心変わりを責める和歌を贈り、匂宮が浮舟と会えないように武士を使って妨害する。
薫と匂宮からのアプローチにより三角関係となった浮舟。母親が「(中の君さまにお世話になっているので)匂宮さまと浮舟にマチガイがあったら親子の縁を切る」と話しているのを聞いてしまい、相談ができなくなってしまう。
誠実な薫を裏切ることもできないし、匂宮にも惹かれしまう。けれども移り気な匂宮にいつ捨てられるかわからない。匂宮とのことを薫が知ったらきっと軽蔑される。どちらかを選べば選ばなかった方を傷つける。どちらかひとりを選べない浮舟は自身が消えてしまう選択をしてしまう。
浮舟の辞世の句が見つかり、自死してしまったと葬儀が行われる。薫も匂宮もお互いが浮舟を隠して死んでしまったことにしているのではと疑うが本当に亡くなってしまったことを嘆き悲しむ。
薫は浮舟を亡くした悲しみの中、彼女の法事を営み、彼女の母を気遣い、兄弟の士官のサポートをする。
匂宮は気持ちを紛らわすため女遊びを再開させる。
しかし、宇治川に身を投げたと思われていた浮舟はとある山荘で倒れているところを横川僧都に助けられる。妹尼は亡き娘のかわりに浮舟の世話をする。死にきれなかった浮舟は俗世を捨ててしまう。
浮舟が生きていると知った薫は手紙を書き浮舟の弟を使いに遣る。「今までのことはいいから話をしたい」と。
浮舟は弟を来訪にせめて母にだけは連絡をとりたいと思うが、薫や匂宮とまた関わりたくなく、薫の文には「人違いだと思います」と返事をする。
薫は使いから戻ってきた弟の話を聞き落胆する。他の男が通っているのではないか、など気を揉んでいる。
第四十二帖【匂兵部卿】~第五十四帖【夢浮橋】のざっくりまとめでした。
源氏物語全五十四帖が完結しました。
源氏の没後、匂宮と薫の物語。
宮中の並び立つ華の匂う兵部卿と薫の大将と宇治の三姉妹の恋物語。
薫と大君の悲恋、匂宮と中の君の電撃婚、薫と浮舟の身代り恋、匂宮と浮舟の略奪、そしてふたりの想いに挟まれた浮舟の選択……。
第一部、第二部の源氏と女君との多くの恋模様とは違い、主役ふたりと3人の姫たちとの想いが交錯するラブストーリーでした。
終わってしまいましたね。
いつまでも続きそうな物語ではありますが、これにて「完」となります。
【別冊】でご案内しているのですが、鎌倉時代に書かれた別作者による続編があるそうです。
よかったらご覧になってみてください。
NEXT is
【桐壺】から始まった「源氏物語」
全54帖のあいだに4人の帝が統治し、70年の月日が流れました。
まさに大河ドラマですね。
各パートをざっくりまとめてきた summary です。
すべての summary の一覧ボタンです。
気になるパートにもう一度出かけてみるのも面白いかも? です。
各Part のざっくりまとめ ~ summary list ~
『1000文字源氏物語』
いつでも
どこでも
どなたでも
参考書、古語辞典必要ナシ
予備知識必要ナシ
持ち物は物語への興味と好奇心 (ちょっぴりね(^_-)-☆)
bon voyage!!
話し言葉で綴る『1000文字源氏物語』は2021年春から更新してきました。
源氏物語最終巻【夢浮橋】の【超訳】・ざっくりまとめを終え、ひとまずこれで完結となります。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
【別冊】エッセイや企画ものはまた編集、更新できるかもしれません。
またお気楽源氏ワールドでお会いできますように。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません